民主党は10月、若手議員らをつなぎ留めるため、政治活動費として一人300万円をバラまいた。ところが、それを受け取った衆院議員2人が国会召集日に離党届を提出し、河村たかし名古屋市長(64)率いる減税日本への合流を検討している。その結果、与党は245議席に。あと6人が離党すれば過半数を割り込む非常事態だ。

 しかし、老獪な輿石東民主党幹事長(76)は小沢一郎氏(70)と組み、巧妙に、解散の時期を決める“ボール”を取り戻そうとしている節がある。

 輿石氏は10月中旬、最高裁で「違憲状態」とされた衆院の一票の格差是正について、自民党が提案している「0増5滅案」の先行実施に含みを持たせ、「法案成立後の衆院解散についても協議しなければいけない」と思わせぶりに語った。

「輿石さんは、今国会の会期中に衆院が過半数割れしたら、小沢さんと裏で組んで、0増5減案より先に野田内閣の不信任案を通してしまう、という大胆な裏技を画策している。そして、『違憲状態が解消されないままの解散はできない』という理屈で、野田佳彦首相(55)を総辞職に追い込む筋書きです」(民主党国対幹部)

週刊朝日 2012年11月16日号