野田首相が言を左右しても、衆院の任期満了まであと10カ月。次期衆院選が「近いうち」に行われるのは確実だ。石原新党もむろんそれを見越した動きだが、本当に「台風の目」となるのか。政治評論家の森田実氏と時事通信社解説委員の田崎史郎氏に聞いた。

 森田氏の予測では、注目の石原新党は選挙区と比例区を合わせて12議席。党単独では、民自はおろか「日本維新の会」や「みんなの党」、「国民の生活が第一」にも及ばない。

「比例区では、石原慎太郎さんの“威光”が届く東京ブロックで5議席、残る全国10ブロックで5議席の計10議席がせいぜい。小選挙区で計算できるのは、合流する予定の『たちあがれ日本』の平沼赳夫代表と園田博之幹事長の2議席くらいでしょう」(森田氏)

 ただ限定的とはいえ、票を奪われる側からすれば、一大事である。

「比例区の10議席は、支持基盤が重なる自民党がそっくり食われる」(森田氏)

 その結果、ジリ貧の民主にとっては、思いがけない「神風」になる可能性があるというのだ。

 一方、田崎氏も石原新党単独で国政に影響力を及ぼすのは難しいと指摘する。

「存在感を示すには、みんなの党、日本維新の会との連携が欠かせません」

 しかし、ハードルは高そうだ。石原新党とみんなの党はそれぞれ、維新の会との共闘には乗り気だが、3党でとなると、トントン拍子にはいかない。

「特にみんなの党の幹部に、石原新党に対する抵抗感が強い」(田崎氏)

週刊朝日 2012年11月9日号