「50代は死が怖かったが今は…」90代女流画家語る

介護を考える

2012/09/18 07:00

 敬老の日にあたって、「90代の才能たち」を追った。時間とともに研ぎ澄まされた精神が、多くの人を魅了している。
 日本画家の堀文子(ふみこ)さん(94)は42歳で夫と死別した後、3年間世界を放浪した。69歳でイタリア語もわからずに、単身イタリアのトスカーナに移住。77歳でアマゾン、80歳でペルー、82歳でヒマラヤと、世界中を見て回った。堀さんは、そのとき、その場所で感動したことを描き続けてきた。
「私はこの世の不思議さと美しさを記録しようとして絵を描いたのだと思います。ものが生きている、ということに感動いたします」
 そう話す堀さんは、今は神奈川県大磯町で一人暮らしをしている。
「90代は初めてのこと。なってみないとわからないものです。50代の頃は死が怖かったのですが、今は自分の中に死がおりますので、穏やかな感じになりました。"生命"は生きるときは生きるし、死ぬときは死ぬ。今を一心不乱に生きていればいいのだと思います」
 チェリストの青木十良(じゅうろう)さん(97)は、85歳でバッハの「無伴奏組曲6番」、91歳で「5番」、94歳で「4番」を録音。昨年、『チェリスト青木十良』(飛鳥新社)が発売され、ドキュメンタリー映画も公開中だ。
「人生、60代までは一生懸命勉強。70代で花を咲かせ、80代はその流れに乗って90代に行けばいい」と話す。

※週刊朝日 2012年9月28日号

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