9月8日、229日間に及んだ通常国会が終わった。だが、政府提出法案の成立率は57%で、戦後3番目の低さだ。これほどの時間をかけ、国会は何をしていたのか。東大客員教授の御厨貴(みくりや・たかし)氏と東大教授の松原隆一郎氏が今国会での各党を採点した。

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御厨:各党の採点といきたいのですが、民自公以外の政党は全く存在感がないから、評価のしようがありませんね。(苦笑)

松原:でも、政党交付金は出ている。だから食べていくには困らないでしょう。

御厨:そうか、政党交付金というのはいまや小政党の社会保障になったわけですね。(笑い)

松原:民主党は民自公の仕組みによって「決められない政治からの脱却」を果たしたということになるんでしょうか。民主党らしいイデオロギーも、被災地の復興もほとんど放り投げて、という条件つきですが。

御厨:ここまできたら粛々と選挙に負けて、出直していただきたい。通信簿は「見事な負けっぷりを見せましょう」ですね。

松原:自民党は、とりあえず民主党に抱きついて言うことを聞かせた。次の選挙で与党に戻れそうですし、先の見通しは悪くないのかもしれない。でも、結局、変われなかった。

御厨:公共事業に10年間で200兆円つぎ込む「国土強靭化計画」などのバラマキ政策を早くも言いだしている。全く反省していないことがわかります。

松原:下野した3年間で党改革ができなかった自民党への国民の失望感は、民主党以上に強いかもしれない。通信簿は「今からでも『反省』しましょう」ですね。

※週刊朝日 2012年9月21日号