今春卒業した大学生約56万人のうち、ほぼ4人にl人が安定した仕事に就けていないことが8月末、文部科学省の調査で分かった。だが、そんな時代にも次々と内定を獲得している大学生や大学院生がいる。

 わが子やわが孫を"スーパー大学生"にしてあげたいと願うのが親心。そうした子どもは、どうすれば育てられるのだろう。

 就職支援のエキスパートで、『〈就活〉廃止論』(PHP新書)の著者である佐藤孝治さんによれば、優秀な大学生や大学院生が育ってきた環境や過去の経験には、いくつかの共通するパターンがある。

 キーワードは、周囲の大人の存在。特に重要なのは、「影響力のある大人」と出会えたかどうかだ。将来こうなりたい、と思うような目標を見つけた子どもは、その瞬間から行動が変わるのだという。「家族、学校の先生、アルバイト先の店長など誰でもいいが、まわりに『イケてる』大人が一人でもいると、いい影響を受けます」(佐藤さん)。

 一方、学生自身はどのようなことを心掛ければいいのか。再び佐藤さんが言う。

受験競争に勝つために必要な能力は、社会に出てから必要な能力の一部ではありますが、それだけでは不十分。そのことに早く気づき、努力した学生はスイスイと就職が決まっていきます。誘われたら断らない、気になった場所には行ってみる、やるからにはとことんやるなど、日々、積極的な行動を心掛け、自分で考えて動ける人を目指してください」

※週刊朝日 2012年9月21日号