クルーズといえば、お金と余暇を持て余した年配者の道楽、というのは今は昔。今年から、親子で楽しめる施設とイベントが満載で、格安の大型海外船、カジュアル船の来航が相次いでいる。中でも人気のイタリア船「コスタビクトリア」で上海、済州島、釜山を回った。

 価格は、宿泊費以外に三食と間食の食事代、ショーや様々な教室参加費も含め1人1泊7千円台(一室4名窓なし部屋利用)。日本の大型客船の6分の1という安さだ。しかも4人部屋3、4人目が18歳未満と子供の場合、子供は無料になる。

 船旅が楽なのは、荷物は客室まで宅配便で送り、下船まで部屋ごと移動できることだ。衣服が詰まったクローゼットも一緒に、寝ている間に次の旅先へ運んでくれる。それでも多くの日本人が敷居の高さを感じるのは、「滞在型」の旅に不慣れなせいだろう。観光地用の移動を繰り返し、ホテルでは疲れて眠るだけ。クルーズは、そんな日本人に違う旅の楽しみを教えてくれる。この夏は観光は二の次、船上で大いに遊び、寛(くつろ)ぐ旅を体験してみてはどうだろう。

※週刊朝日 2012年8月10日号