(※イメージ)
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 金メダルの有力候補の一人、男子体操の内村航平選手。個人のみならず、団体での金も目指すが、昨年10月の体操世界選手権男子団体決勝は、まさかの展開になった。

 最後の種目の鉄棒。田中佑典(ゆうすけ)が落下、さらにはエースの内村航平が"めったにない落下"をした。トップの中国と2.068点差の悔しい2位。日本にとって33年ぶりの悲願である団体の金メダルを取り損なったのだ。個人総合より団体での金を熱望していた内村は、  「(金メダルは)来年、オリンピックのロンドンの地で取りたい」と言った。

 すべての種目で高得点を出すことができるオールラウンダーの内村は、2000年から世界選手権の個人総合で前人未到の3連覇を成し遂げている。本人が出演中のCMどおりの、まさに"出木杉くん"だ。

 メンタル面でも、「プレッシャーって何なの?」と言ってのけ、緊張などしたことがなく、恐怖心も感じないというマイペースぶり。本人はその理由をこう説明する。

「好奇心のみで動いているから」

 演技をしている最中も、会場の応援の声に心の中でツッコミを入れる余裕さえあるという。例えば、鉄棒の演技中、離れ技をする内村に観客が「(鉄棒を)持って!」と願いを込めて掛ける声に、「いや、そりゃ持つよ(笑い)」とツッコむという具合だ。とはいえ本当に集中したときは、

「自分の(心の中の)声しか聞こえない」のだという。

※週刊朝日 2012年8月10日号