名古屋市にあるJICA(国際協力機構)中部では、毎週火曜日が「民族衣装クールビズ」の日となっている。

 背広を半そでにしたような、マレーシアの黒っぽいシャツを着た大貝隆之所長が説明する。

「JICAが支援する国は、電気が来ないのは当たり前で、しかも暑いことが多い。そういった国々には暑さを乗り切る知恵があるはず、ということでやっています」

 実際に赴任していた国の服を着ている人も多い。青年海外協力隊でスリランカにいた酒井智帆さんは、水色のサリーを身に着けている。サリーは5メートルほどの一枚布を腰に巻いてから肩にかける。涼しいけれど、着るのが大変だとか。

 ネパールの赤シャツにタイの黒パンツをはいた清水浩二さんは、涼しい以上の意味があると言う。

「職場がカラフルになって雰囲気が和むし、職場の風通しが良くなる。これが一番の利点です」

※週刊朝日 2012年7月13日号