財務省が、新聞記事の内容に、立て続けに噛み付いている。

 最初に同省ホームページに、

〈朝日新聞(平成24年4月5日付け朝刊)の「民主党政権 失敗の本質1」と題する記事への抗議〉

 という「抗議文」が掲載されたのは5月1日のこと。

「新聞社に抗議するのは1998年以来のことで、省内でも話題になりましたよ」(財務官僚)

 抗議を受けた記事は、"脱官僚"を掲げる民主党政権に対し、いかに財務省が予算編成権や人事権を死守したかを検証したものだ。

 抗議文は〈記事の記載内容には、明らかに事実と異なる点等が認められ〉るとして、記事で触れられている「政権交代前から鳩山由紀夫元首相と財務省幹部が接触を重ねた」事実はないなどと反論した。

 財務省「陰謀説」は、メディアで繰り返し報じられてきた。同省にとってはある意味、"慣れっこ"のネタだ。それがなぜ、急に「抗議乱発」に転じたのか。

「それは、もちろん消費税の問題があるからですよ。基本的に財務官僚はプライドが高く注目されたいので、『財務省支配』と言われることは内心うれしい。ただ、消費増税の審議が本格化するいま、『財務省黒幕論』が出てくるのはマズイ」(財務省関係者)

※週刊朝日 2012年6月1日


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