津波が16mに達するも想定は5.2m 「見かけ倒し」の福島第二原発津波対策 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

津波が16mに達するも想定は5.2m 「見かけ倒し」の福島第二原発津波対策

このエントリーをはてなブックマークに追加
週刊朝日#原発

"想定外"の津波被害で現在、停止している福島第二原発。しかし、そもそもその"想定"自体に問題があると、福島第二原発で働くジャーナリスト・桐島瞬氏は言う。

*  *  *
 今回の震災被害が決して想定外などではなく、東電による「人災」だったと思えるさらに重大なことがある。
 それが「OP表示」だ。
 震災でフクニ(福島第二原発)を襲った津波の高さは「OP約+7メートル」で、1号機建屋南側だけは「OP約+15~16メートル」に達した。フクニ設計時に想定していた津波の最高水位は「OP+5.2メートル」。これを上回る津波が来たから想定外だった、というのが東電の言い分だ。
 OPとは「小名浜港工事基準」のことで、フクニから南に約50キロの場所にある小名浜港の潮位を示す。「OP+10メートル」は、小名浜港の潮位から10メートル高いという意味になる。原発建屋の内外には至る所にこのOP表示があり、小名浜港からの高さが一目でわかる。津波の高さも、「OP+数値」で示してある。
 問題は、この「OP」が最低潮面、つまりこれ以上低くならない水位を示しているにもかかわらず、それを津波想定高さの基準に採用していることだ。
 フクニの海沿いに立ってみた。地面から2メートル、いや、潮が満ちているときにはさらに海面が迫ってきている。例えば、熱交建屋の地面の高さは「OP+4メートル」。これは海面から4メートルの意味ではない。実際には2メートルそこそこだ。
 つまり、わずか高さ2メートルの津波が来ても建屋が浸水する可能性がある。加えて熱交建屋には地下があり、4号機の場合は「OPマイナス7.7メートル」、つまり、実際には地面から約12メートル下に床面があるのだ。
 震災時の津波で1階は3メートル、地下は完全に水没し、原子炉冷却機能を担うポンプ類が大きなダメージを受けた。冷却水を循環する配管類も使い物にならなくなった。電源系統も同様で、制御盤は焼損した。
 東電は過去の地震による津波などを参考に、フクニの津波想定高さを5.2メートルに決めたとしている。だが、この数字がいかに「見かけ倒し」であるかは読者の方もおわかりだろう。
※週刊朝日 2011年5月4・11日合併号


週刊朝日


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい