木嶋佳苗被告の死刑判決 法律家の間で「妥当だ」「疑問残る」と評価割れる 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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木嶋佳苗被告の死刑判決 法律家の間で「妥当だ」「疑問残る」と評価割れる

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 木嶋佳苗被告(37)の犯行と認定された3件の殺人は直接的な証拠がなく、裁判員らは難しい判断を迫られた。状況証拠を積み重ねての死刑判決には、法律家の間でも評価が分かれている。
「動機も客観的な証拠もそろっており、妥当な判断だ」と語るのは、元検事の大澤孝征弁護士だ。
「殺害された3人はいずれも自殺する動機がなく、現場には練炭が残されており、直前に木嶋被告と会っていたという点も一致しています。人間の行動はワンパターンになりがちで、複数人を殺害した場合は殺害方法も同じになることが多い。事件ごとの区分審理となれば判断が分かれたかもしれませんが、一括審理となったことで、3件の事件は検察にとっての『折れない3本の矢』になったのです」
 裁判官を務めた37年間で、30件以上の無罪判決を出した木谷明弁護士も、今回の死刑判決は「やむを得ない」とみる。
「被告の犯行を裏付ける直接的な証拠がなく、判断が難しい裁判でしたが、状況証拠にも強弱があります。今回、検察側が提示した状況証拠は、犯行を立証するに足る"強い"証拠でしたので、被告の犯行と認定されたのは妥当でしょう」
 一方、菊田幸一・明治大名誉教授(犯罪学)は、死刑判決は疑問だという。
「3件の殺人は類似していますが、当然ながら状況は異なる。たとえば被害者の自殺の動機の有無などは、どの程度検証されたのでしょう。1件でも過失致死となれば死刑という判断が回避された可能性があるが、3件を類似事件として一括して審理することで、死刑か無罪かという極端な選択になってしまいました」
※週刊朝日 2012年4月27日号


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