昨年まで30年連続で東大合格者数トップの開成(東京)は、前年比29人増(前期合格者数と比較)の193人(うち現役132人)と大躍進した。学年主任兼進路指導の石川勝也教諭によると、センター試験により第1段階選抜で通らなかった生徒もいたため、2次試験を受けた生徒は例年より10~20人減ったという。

「それでも、ここ数年で一番いい結果になりました。自由奔放で素直な子が多い学年で、勉強と遊びのメリハリができていたと思います。本校の定期試験と同じ問題が2次試験の国語で出題されたので、生徒たちの緊張がほぐれて、安心して取り組めたのかもしれません」(石川教諭)

 また、英国の名門イートン校をモデルとして、トヨタ自動車やJR東海、中部電力などが中心となって2006年に設立した全寮制で中高一貫校の海陽(愛知)は、今年初めて卒業生を出し、13人が合格した。進路指導の加藤啓次教諭は話す。

「個人戦ではなく団体戦で合格を勝ち取りました。全寮制なので、学校から帰っても周りに仲間がいます。24時間一緒に過ごし、互いに刺激できる環境が強み。今年の卒業生は1期生のプライドがあり、この学校を自分たちが引っ張っていくのだという誇りが、合格をたぐり寄せたと思います」

※週刊朝日 2012年3月23日号