野田佳彦首相と谷垣禎一自民党総裁の"密談"騒動で、にわかに現実味を帯びた「話し合い解散」。しかし、密談のはずが大々的にマスコミに取り上げられてしまい、それは不発に終わったようだ。

 谷垣氏の側近議員が、その裏側をこう語る。

「すべては、消費増税に執念を燃やす財務省のお膳立てですよ。民主党側は仙石由人政調会長代行、自民党側は大島理森副総裁という長老コンビに藤村修官房長官が加わって、極秘に謀議を重ねた末、トップ同士の"密談"にたどり着いた。そこでは、民・自が協力し、今国会で消費増税法案を通して衆院の解散総選挙に打って出る。勝った党が首相、負けた党が副首相を出し、大連立を組む―――という青写真まで用意されていました」

 ところが2月29日夕、この密談が報じられ、大騒ぎに。

「密談の当日(25日)、谷垣さんと同行していた議員によると、谷垣さんが都内ホテルで野田さんとサシで話せたのはせいぜい10分。立ち話程度じゃないかな。それを、大げさにリークしたのは、当の野田首相の側近らですよ。というのも、1カ月ほど前に実施した民主党の世論調査で、大阪の選挙区は橋下新党ブームのあおりで、小沢チルドレンどころか、藤村官房長官、樽床伸二幹事長代行らも落選ラインだったという。東京でも、手塚仁雄首相補佐官の落選確実という驚愕の結果がはじき出された。これを知った側近らが、解散阻止のベクトルで動き出したというんです」(前出・側近議員)

※週刊朝日 2012年3月23日号