「長い間、ご迷惑をかけ、すいません。これから出頭します。みてください」

◆教団が強める「麻原回帰」◆

 警視庁が明美容疑者から任意提出を受けたのは現金800万円と現金数万円が入った預金通帳、健康保険証、携帯電話2個(一つは不使用)など615点だ。

 現在、原宿署に留置されている明美容疑者は、
「夜、よく眠れない。外に出られない生活が、こんなにつらいとは考えもしなかった」
 と訴え、東大阪での生活を懐かしみ、こう語ったという。

「整骨院のみなさん方に親切にしていただいたのに、こんなに迷惑をおかけして、本当に申し訳ない」

 今後の捜査の焦点はどこか。一つは、平田容疑者は接見した弁護士とキリスト教や仏教について熱心に議論することもあるといい、本当に信仰を捨てたのか、だ。さらに、2人の逃亡生活に教団関係者が関与した可能性も考えられる。

 公安調査庁の分析リポートによると、旧オウムの主流派(アレフ)は最近、「麻原回帰」路線を加速させ、死刑廃止を訴える過激派団体に接触するなど迷走しているという。

「主流派は昨年3月、麻原の"生誕祭"を開催し、信徒に対し、麻原の延命を祈願する瞑想(めいそう)や麻原を絶対視する歌の合唱などを行わせた。また、麻原の偉大さを称賛するDVDを作製し、集中セミナーで信徒に視聴させるなど、より過激化している」(同庁関係者)

 また、教団は足立区内に1億円を超える不動産物件を修行施設として取得。

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