平山氏は埼玉県出身。2007年の参院選に新党日本から比例区で立候補し、09年に繰り上げ当選。その後、無所属になった。

 比例区選出の議員は法律上、全国どの地域の自宅や事務所を「地方での住所」として届けてもいい。遠方地の議員であれば、月に最高で4往復分の航空券を無料で受給できる。ところが、平山氏が事務所として参議院に届け出た宮崎市の住所が実在しないにもかかわらず、東京-宮崎の航空券を受給していたのだ。

 この問題を追及する義家弘介参院議員(自民党)は首を傾げる。

「なぜ、縁もゆかりもない宮崎県に住所地を置くのでしょうね。届け出た(宮崎市の)『前原』を『前浜』に変えて、番地に数字の4を加えると、横峯議員の自宅になるのも、誰が見ても不自然でしょう」

 実は平山氏、「さくらパパ」こと横峯良郎参院議員と仲良し。夜の六本木に繰り出す姿が目撃されているほか、9月下旬にはともに台湾を視察に訪れている。

 平山氏は報道陣に「(住所は)誤記載」と釈明。先日、横峯氏が宮崎市内で主宰する「さくらゴルフアカデミー」内に住所を変更したばかりだ。平山氏の秘書は、
「看板も置いていますし、政治事務所としてしっかり稼働している」
 と胸を張るのだが、記者がこの「事務所」に電話をかけてみたところ--、

「はい、××(実名)です。平山議員ってどなた?」

 個人宅だった......。再び秘書に問い合わせると「これも誤記載」とのこと。そこで"再々訂正"した電話番号にかけてみると、
「はい」
 今度はなぜか、数分前にやりとりをした在京の秘書が、電話に出てきた。

「宮崎の事務所は人がいない。電話を転送している」

 本当に稼働しているのか。

 参院事務局によると、議員が架空の地方宿所(住所)を届けて航空券を受給しても罰則はないという。

「議員が届け出る地方宿所に実体があるのか、院は調査すらしない。この奇妙な状況を見れば、平山議員は横峯議員のゴルフ場で遊ぶために、航空券を不正受給したと非難を受けても仕方がないですよ」(義家氏)

 もっとも、同じ会派の民主党議員からも、
 「先日、400万円の赤いポルシェを現金で買った、と自慢されました」
 と苦笑される平山氏。

 義家氏らは、航空券の使用状況と政治活動の実態を徹底的に追及していくという。 (本誌・永井貴子)


週刊朝日