昨年に続き、人との接触を減らしたり、外出自粛が求められたりする中で、どのように心の健康を保てば良いのでしょうか。ここでは三つのヒントをご紹介します。

 一つ目は自分に合ったストレスとの付き合い方を見つけることです。東大大学院医学系研究科精神保健学分野が運営する「いまここケア」というウェブサイトでは、自宅で過ごす人に向けて、心の健康に役立つ情報を発信しています。過去や未来ではなく「今」に集中する瞑想法の一種、「マインドフルネス」などの対処法を紹介していますので、参考にしてみてください。

 二つ目は運動や早寝早起きを心掛け、健康的な生活を送ることです。オンラインでの活動が中心になると、昼夜逆転したり歩く機会が減ったりしがちですが、運動と生活リズムは体の健康だけでなく、心の健康にも大変重要です。

 三つ目は人とのつながりを意識的に増やすことです。例えばカメラをオンにして相手に反応を伝えるなど、オンラインでのコミュニケーションを対面に近づける工夫が必要です。感染対策を徹底した上で、対面での交流も必要です。特に大学生のような青年期には、対面での交わりが人間的成長のためにも欠かせません。工夫して少人数で集まる機会を持てるといいですね。

*川上 憲人(かわかみ のりと)教授(東京大学大学院医学系研究科) 
1985年東大大学院医学系博士課程単位取得退学。博士(医学)。岡山大学教授を経て2006年より現職。

(文/東京大学新聞社・鈴木茉衣、松崎文香)