東大大学院からピアノコンクールで日本一に ピアニスト・角野隼斗の素顔 (1/5) 〈東大新聞オンライン〉|AERA dot. (アエラドット)

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東大大学院からピアノコンクールで日本一に ピアニスト・角野隼斗の素顔

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東京大学新聞社 円光門東大新聞オンライン
角野隼斗さん。現在はYouTuberとしても活躍している(撮影・宮路栞)

角野隼斗さん。現在はYouTuberとしても活躍している(撮影・宮路栞)

 東京大学大学院修士1年次、国内最大級のピアノコンクールであるピティナピアノコンペティション特級にて、東京藝術大学などトップの音楽大学の学生を差し置いて優勝するという快挙を成し遂げた、ピアニストの角野隼斗さん。東大工学部を卒業後、今春まで大学院情報理工学系研究科に在籍し、フランス音響音楽研究所 (IRCAM)で機械学習を用いた自動採譜の研究に従事するなど、工学研究者としての顔も併せ持つ。角野さんの在学中、東京大学新聞社が実施したインタビューから、抜粋してお届けする。※東大新聞オンラインから転載

――子供の時から数々のピアノコンクールで優勝してきた角野さんですが、演奏技術を維持、発展させていくためには毎日の継続的な練習が必要です。ピアノと勉強はどのように両立させてきたのでしょうか

 両立しているという意識はありませんでした。音楽と算数の両方に興味を示していたのを親が上手に僕の好奇心の向く方向に導いてくれたのも大きかったと思います。小5の夏から塾に入った経緯もその延長線上で、いつしか受験勉強に専念していました。中高時代はバンドで編曲活動をしたりドラムを叩いていてピアノは毎日1時間くらいの練習でしたね。むしろ本格的にピアノに取り組んだのは大学に入ってからでした。

――そうは言っても、中3の時にはショパン国際コンクール in Asiaで金賞を受賞しています

 もちろん、コンクール前には集中して何時間も練習しました。しかしなによりも、幼少期の聴音や和声感覚、小学校の時に固めた技術的な基礎が有利に働いたのだと思います。師匠の金子勝子先生が開発した「指セット」という練習法で、5本の指を独立させそれぞれの実力の差をなくすことを、まだ小さい時から叩き込まれました。

――音楽大学ではなく東大を選んだ理由は

 一つは、両親の助言です。進路を迷っているならまず東大に入ってから本当にやりたい事を見つけていくのがベストでは? と、東大押しでしたね(笑)。実際僕自身も、中高時代ピアノをそこまで真剣にやっていたわけではないので、音楽大学で一日中ピアノと向き合う勇気は当時の僕にはありませんでした。あと、音楽大学には派閥同士の争いとかがあって、そこから離れて自由に音楽をしたいというのもあったと思いますし、プロになるかどうかはさておき東大に行っても音楽はできると思ったんですよね。

――音大生をうらやましいと思うことはありますか

 今でも音大コンプレックスはありますよ。音大生しかいない所にいると何となく肩身が狭いような気がするし,彼らは演奏はもちろん音楽理論や音楽史を包括的に学ぶので、楽曲に対して深い理解を持っていて、自分の不勉強さを恥じることはあります。


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