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小笠原諸島では、9日午後から断続的に雨が降り、5月としては記録的な大雨となっています。10日明け方にかけて、雷を伴った激しい雨が降る見込みです。昼前にかけて土砂災害に厳重に警戒してください。

小笠原諸島で5月として記録的な大雨

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日本の東から南には前線を伴った低気圧があり、前線に向かって南から湿った空気が流れ込んでいます。
小笠原諸島では、9日午後から断続的に雨が降り、9日午後7時40分まで1時間には、小笠原諸島の父島で44.0ミリの激しい雨が降りました。
また、9日午後11時20分までの6時間降水量は父島で123.5ミリと、5月としては観測開始以来1位の値を更新しました。これは平年の5月1ヵ月の雨量(151.9ミリ)の約8割に当たる量が降ったことになります。

前線は、10日朝にかけて小笠原諸島に接近する見込みです。大気の非常に不安定な状態が昼前にかけて続くでしょう。10日0時現在、小笠原村には土砂災害警戒情報が発表されいます。命に危険が及ぶ土砂災害がいつ発生してもおかしくない非常に危険な状況です。崖の近くや谷の出口など土砂災害警戒区域等にお住まいの方は、区市町村から発令される避難指示などの情報に留意し、少しでも安全な場所への速やかな避難を心がけてください。夜遅い時間ですので、これからの避難が難しい場合は、室内でも危険な場所から少しでも離れるようにしてください。

<雨の予想>。
10日にかけて予想される1時間降水量は、多い所で
小笠原諸島  30ミリ
10日0時から11日0時までに予想される24時間降水量は、多い所で
小笠原諸島  60ミリ

土砂災害の前触れは

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大雨によって土砂災害が発生する時には、前触れとなる現象があります。いざという時のために、ぜひ覚えておいてください。

1つめは、がけや地面にひび割れができることです。
2つめは、木が裂ける音や石がぶつかり合う音が聞こえたり、土のにおいがしたりすることです。
3つめは、井戸や川の水、湧き水が濁ることです。湧き水が止まる場合も、前触れの一つです。
4つめは、がけや斜面から水が湧き出たりすることです。

そのほか、小石がバラバラと落ちてくる、地鳴りや山鳴りがする、雨が降り続いているのに川の水位が下がる、樹木が傾く、などがあります。このような時は、土砂災害の危険が高まっています。すぐに周りの人に声をかけて、安全な所へ避難してください。

土砂災害から避難するには

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土砂災害から避難するには、ポイントが2つあります。

1つめは、早めの避難を心掛けることです。特に、お年寄りや障害のある方など、避難に時間のかかる方がいらっしゃる場合は、大雨になってしまう前に、行動してください。また、夜中に大雨が予想される場合は、なるべく明るいうちに、避難所など安全な所へ避難することが重要です。

2つめは、より安全な所へ避難することです。これまで、土砂災害の多くは、木造家屋の1階で被害にあっています。すでに雨が強まっているなど、どうしても避難場所への移動が困難な場合は、近くの頑丈な建物の2階以上へ移るのも、選択肢の一つです。家の中に留まる場合も、斜面から離れた部屋や、2階以上の部屋へ移ってください。

万が一、土石流が発生した場合は、土砂の流れる方向に対して直角に、できるだけ高い所へ避難することが、命を守ることにつながります。