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きょう2月21日、日本気象協会は「2023年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測 第4報」を発表。2月は九州~東北南部の一部地域でスギ花粉の飛散が始まり、いよいよ花粉シーズン本格化。すでに飛散開始している九州を中心にまもなく飛散のピークに。今年は大量飛散が見込まれる地域が多く、ピーク時期が長くなる可能性も。花粉症の方はしっかりとした対策が必要です。

スギ花粉の飛散開始時期

2月に入り、九州地方全域と、中国、四国、近畿、東海、関東、東北南部の一部地域で、スギ花粉の飛散が始まりました(※)。いよいよ花粉シーズンの始まりです。この先、2月末にかけては北陸で、3月に入ると長野県や東北北部で飛散開始する見込みです。

この先、3月にかけて全国的に平年より気温が高くなる見込みで、すでに飛散開始している九州を中心にまもなく飛散のピークを迎えるでしょう。今年は大量飛散が見込まれる地域が多いため、花粉症の方はしっかりとした対策が必要です。

※飛散開始日:1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日

各地のピーク予測

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スギ花粉飛散のピークは、福岡で2月下旬から3月上旬、高松や広島、大阪、名古屋では3月上旬から中旬の予想です。金沢、東京、仙台では3月上旬から下旬となるでしょう。今年は大量飛散が見込まれるところが多いため、ピークの時期も長くなる可能性があるでしょう。

スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉のピークが始まるところが多くなります。福岡や広島では3月下旬から4月上旬、高松では3月下旬から4月中旬の見込みです。大阪と名古屋では、4月上旬から中旬、東京では4月上旬から下旬にかけてヒノキ花粉の飛散のピークを迎えるでしょう。金沢と仙台は、4月を中心にヒノキ花粉が飛散しますが、飛散量は他の地点と比べると少ないため、はっきりとしたピークはない見込みです。

2023年シーズンの花粉飛散傾向【例年比】

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2023年春の花粉飛散予測は、九州では例年並み、四国と中国、近畿、北陸ではやや多くなるでしょう。東海と東北では多く、関東甲信では非常に多く飛ぶ見込みです。北海道は例年よりやや少ないでしょう。

【前シーズン比】

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九州から関東甲信にかけて前シーズンより飛散量は多く、特に四国、近畿、東海、関東甲信では非常に多く飛ぶ見込みです。東北は地域によって差があり、北海道は少ないでしょう。前シーズンは症状が弱かった方も万全な花粉症対策が必要になりそうです。

飛散量の予測根拠

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花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響します。気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の飛散量が多くなるといわれています。

2022年の夏(6月~8月)は梅雨前線の活動が弱く、特に6月の降水量は西日本の太平洋側でかなり少なく、日照時間は東日本の日本海側と西日本の太平洋側でかなり多くなりました。また、6月後半から7月上旬にかけて太平洋高気圧が強まり、東・西日本を中心に晴れてかなりの高温となりました。そのため、6月に「高温・多照・少雨」となり、スギの花芽形成に好条件となりました。さらに、2021年~2022年に花粉飛散量が少なかった地域が多く、スギの木に花芽を形成させるエネルギーが蓄えられていたため、より一層、スギの花芽形成が促進されたと考えられます。

【花粉の種類について】
北海道はシラカバ、その他はスギ・ヒノキ花粉の飛散量を表します。

【飛散量に関する言葉の説明】
非常に多い     :前シーズン/例年の200%以上
多い        :前シーズン/例年の150%以上200%未満
やや多い      :前シーズン/例年の110%以上150%未満
前シーズン(例年)並 :前シーズン/例年の90%以上110%未満
やや少ない :前シーズン/例年の70%以上90%未満
少ない :前シーズン/例年の50%以上70%未満
非常に少ない :前シーズン/例年の50%未満
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前シーズン  :2022年シーズン飛散量
例年 :過去10年(2013~2022年)の平均値

【2022年夏の気象に関する言葉の説明】
平年 :1991~2020年の平均値

◆日本気象協会の花粉飛散予測とは
日本気象協会は1990年からスギ花粉の飛散予測を発表しています。日本気象協会の花粉飛散予測は前シーズンの花粉飛散結果や今後の気温予測などの気象データをもとに、全国各地の花粉研究会や協力機関からの情報、花芽の現地調査の結果などをふまえて予測しています。