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気象庁は22日「2021年の天候と台風のまとめ」を発表しました。2021年の日本の年平均気温は1898年の統計開始以降で最も高い値となる見込みです。

日本の年平均気温

気象庁は22日、「2021年の天候と台風のまとめ」を発表しました。

2021年の日本の年平均気温偏差(1991~2020年の30年平均値からの偏差)は+0.65℃(1~11月の期間から算出した速報値)で、統計を開始した1898年以降、2020年と並び、最も高い値となる見込みです。日本の年平均気温は、長期的には100年あたり1.29℃の割合で上昇しており、特に1990年代以降、高温となる年が多くなっています。

2021年の特徴として、冬の後半から春のはじめ、及び秋に寒気の南下が弱く、夏も主に6~7月は北日本を中心に高気圧に覆われたことから、2 月以降平均気温の高い月が多くなりました。また、日本近海では平年より高い海面水温が観測されることが多くなりました。

近年、高温となる年が頻出している要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響が考えられます。また、エルニーニョ現象やラニーニャ現象などの数年程度から数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動の影響も受けて変動していると考えられています。

日本の天候

2021年の1月前半は強い寒気が南下し、低温となり、日本海側では大雪による交通障害が発生しましたが、1月下旬以降は4月上旬にかけて、全国的に寒気の南下が弱く、気温の高い状態が続きました。特に3月は寒気の南下が顕著に弱く、北・東・西日本で記録的な高温となりました。

6月以降8月上旬にかけて、北日本では気温の高い状態が続き、特に7月中旬から8月上旬にかけては、太平洋高気圧が北日本付近に張り出したため、旬平均気温がかなり高い状態が続きました。8月中旬は、太平洋高気圧が弱まり、前線が本州付近に停滞し、活動が活発になったため、東・西日本では大雨が続き、西日本ではこの時期としては記録的な低温となりました。

太平洋高気圧が弱い状態は9月上旬にかけて続き、このころ東日本で顕著な低温となりました。10 月前半は寒気の南下が弱く、全国的に顕著な高温となりましたが、10 月後半からは、寒気が西回りで南下することが多くなり、北日本は高温傾向でしたが、西日本や沖縄・奄美では、低温傾向となりました。

台風について

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2021年の台風の発生数は平年より少ない22個でした。特に、台風の発生数が最も多くなる8~9月における台風の発生数が8個と平年より少なくなったため、年間の発生数も平年より少なくなりました。

日本への台風の接近数は平年並みの12個でした。上陸は8号、9号、14号の 3 個(平年値 3.0 個)で、このうち8号は宮城県に初めて上陸した台風となるとともに、2016年台風10号に次いで、東北地方太平洋側に上陸した 2番目の台風となりました。また、台風14号は福岡県に初めて上陸した台風となりました。

世界の天候について

2021年は、世界各地で異常高温が観測され、各国から月平均や季節平均気温の記録更新が頻繁に伝えられました。世界の年平均気温は、1891年の統計開始以降で、6番目に高い値となる見込みです。

また、中国中部の大雨(7月)、南アジア及びその周辺の大雨(5~11月)、ヨーロッパ中部の大雨(7月)、北米中部から西部の熱波(6~7月)など、多数の死者を伴う災害が発生しました。