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1月は、度々冬の嵐に。記録的な大雪に見舞われました。ただ、冬型の気圧配置は、長く続くことはなくなってきています。2月は、比較的短い周期で日本付近を低気圧が通り、前半を中心に度々寒気が流れ込むでしょう。

7日~11日 大雪・暴風 北陸では1日で100センチ超の降雪

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7日から8日朝にかけて、日本海の低気圧が急速に発達しながら東へ進み、東北北部を通過、千島近海に進みました。日本列島に強い寒気が流れ込み、11日にかけて、冬型の気圧配置が続きました。

日本海から次々に雪雲が流れ込み、北陸を中心に記録的な大雪になりました。短い時間で、降雪が多くなったことが特徴で、新潟県上越市では、9日1時までの24時間降雪量は103センチ、富山市では、9日18時までの48時間降雪量は107センチを観測するなど、観測史上1位の値を更新しました。また、九州などでも雪になり、福岡市では9日21時にかけての48時間降雪量は、4センチを観測し、1月の1位の値を更新しました。

広く西よりの風が強まり、東北から中国地方を中心に暴風が吹きました。7日、秋田県八峰町では、最大瞬間風速42.4メートル、石川県輪島市の三井で39.6メートルを観測しました。いずれも、統計が開始された2008年または2009年からの記録で最も大きい値になりました。暴風は、日本海側に限らず、羽田空港で、最大瞬間風速24.7メートルを観測、静岡空港では23.7メートルを観測し、いずれも、2009年からの記録で、1月として最も大きい値になりました。

12日以降 低気圧が短い周期で通過 太平洋側で雪 黄砂を観測

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12日以降は、日本付近を低気圧が、2日から4日くらいの周期で通過するようになりました。

12日は、日本海と本州の南をそれぞれ低気圧が通過し、広く雪や雨になりました。大阪市や東京都心など、太平洋側でも、みぞれや雪になり、東京都心では、初雪になりました。

14日から15日にかけて、大陸から進んできた低気圧が、北海道を通過し、千島近海に進みました。16日にも、別の低気圧が、大陸から北海道に進みました。黄砂を、広島で14日、新潟で15日、福岡で16日に観測しました。

黄砂は、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯で、強風によって吹き上げられた多量の砂じん(砂やちり)が、上空の風によって運ばれ、日本では、春の観測されることが多くあります。現在の黄砂の観測11地点(札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇)で、1月に3日間、黄砂が観測されるのは、1999年以来、22年ぶりです。

19日 再び冬の嵐 100メートル先が見通せない状態に

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19日は、日本の東に低気圧、大陸からは高気圧が張り出し、北日本や東日本では、冬型の気圧配置になりました。

東北を中心に西よりの風が強まり、山形県酒田市の飛島で、最大瞬間風速34.2メートル、秋田市で31.8メートル、栃木県奥日光で31.5メートルを観測。雪やふぶきにより、見通しが悪くなり、札幌市や秋田市で、見通し(水平方向での見通せる距離)が0.1キロ未満になりました。また、宮城県大崎市古川では、正午前に最大瞬間風速27.8メートルを観測し、正午の積雪の深さは、10センチだったのが、13時には6センチと、一気に4センチ減りました。気温はマイナス3℃以下で、雪がとけることは考えにくいため、積もっていた雪が、強い風で吹き上げられたと考えられます。

22日~24日 太平洋側でまとまった雨 沖縄で1月として記録的な雨

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22日は、前線が本州付近を南下し、24日にかけて、本州の南に停滞しました。

九州から関東を中心に雨が降り、24日の72時間降水量の日最大値は、三重県伊賀市で54.0ミリ、神戸市で40.5ミリを観測し、いずれも1月の観測史上1位になりました(神戸市は2016年1月31日とタイ)。

太平洋側では、降水量の少ない時期ですが、21日から29日までの降水量は、東京都心43.5ミリ、大阪市59.5ミリと、1月下旬の平年雨量の2~3倍になりました。

沖縄も降水量が少ない時期ですが、23日は、低気圧や前線の影響で雨が降りました。23日の24時間降水量の日最大値は、南大東島186.0ミリ、国頭村奥で127.0ミリなど、いずれも1月の1位の値を更新。南大東島では、24時間で1月下旬の平年の雨量の7倍の雨量になりました。

30日 発達した低気圧が北海道付近を通過 1月上旬の冬の嵐との違いは?

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29日は、日本海北部を発達した低気圧が東へ進み、30日は、北海道付近を通過しています。

広く西または北風が吹き、日本海から雪雲が流れ込んでいます。北海道檜山地方の奥尻空港で最大瞬間風速31.9メートルを観測。盛岡市では、積雪の深さが51センチと、10年ぶりに50センチ以上になりました。

さて、7日から11日にかけての冬の嵐は、およそ4日続きましたが、今回30日の冬の嵐は、長く続くことはないでしょう。31日まで、北海道から北陸を中心に、大雪に警戒が必要ですが、冬型の気圧配置が長く続かなくなり、低気圧が短い周期で日本付近を通るようになっていることから、春に向かっているといえそうです。

2月も前半を中心に寒気度々 湿った雪も

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2月は、日本付近を低気圧が比較的短い周期で通過するでしょう。低気圧が通過する前は、南風が吹きます。通過した後は北風に変わり、寒気が流れ込むでしょう。2月3日立春ごろ、さらにその後も2月前半を中心に、北日本付近に度々強い寒気が流れ込む見込みです。寒気の影響は、長く続くことはありませんが、北海道から北陸を中心に、雪が強まったり、北海道でも湿った雪が降ることで、電線への着雪などによる停電などが発生することも考えられます。また、積雪の多い地域では、南風が吹く日など寒さが緩むときは、特に、なだれや屋根からの落雪に注意が必要です。危険な場所には近づかないでください。