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きょう(12日)は、2019年台風19号(令和元年東日本台風)の上陸から一年。防災に関する情報は日進月歩の進化を遂げています。情報の活用法と、災害への心構えを改めて確認しませんか。

甚大な被害から1年 中小河川も多く氾濫

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上の写真は2019年10月14日の宮城県丸森町中心部の様子です。一級河川の阿武隈川の支流のひとつ新川の堤防が濁流に削られ、町内はまだ浸水が引いていませんでした。

2019年の台風19号では東日本や東北地方を中心に記録的な大雨となり、東北地方でも福島県、宮城県、岩手県で大雨特別警報が発表。土砂災害や川の氾濫などで甚大な被害となったのは記憶に新しいと思います。

大河川でも受け止めきれないような大雨となったため、支流の中小河川の水は大河川に合流できず、比較的小さな川でも氾濫被害が大きくなったのが特徴のひとつでした。毛細血管のように多く流れる中小の川の水位は把握が難しく、防災上の課題の一つとなっていますが、近年では簡易な水位計が普及し始め、これまでよりも詳細な情報が把握できるようになってきています。

身近な中小河川にも 「危機管理型水位計」の設置広がる

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これまでは県をまたいで流れるような大きな河川から水位計の設置が進められ、水位の把握や洪水の予想などに活用されてきました。近年は「危機管理型水位計」と呼ばれる簡易な装置が開発され、中小の河川への設置が徐々に広がりつつあります。これまではわからなかった比較的小さな身近な川の水位も、把握できる場所が増えてきています。この水位データは、国土交通省のサイトなどで確認することができます。一度、ご自宅や勤務先の近くに水位計が設置されているかどうか確認してみてください。

情報を活用して避難の目安に 最後は五感も大切に

身近な所に水位計が設置されていれば、大雨が降り始めたときに川の近くまで行かなくても水位の状況が把握できますね。その水位から避難を判断する目安にすることもできます。例えば、氾濫警戒水位(5段階の警戒レベルのうち、レベル3相当)に達したら、避難所へ移動するといった使い方ができます。ただ、川の水位は上流で降った雨の量にも影響されますので、上流側の水位が急増していないかも確認してください。そのほか、自治体から発表される避難情報もテレビなどで確認しましょう。

川の水位のほかにも、土砂災害の危険度や浸水の危険度なども気象庁HPなどで公開されています。普段から雨が降った時にそういった情報を確認して、使い慣れておいていただければと思います。

ただ、情報がいくら進化したとしても、自然の脅威に完璧に対処することは難しいと感じます。例えばハザードマップも更新を重ねるごとに改良されていますが、土砂災害や川の氾濫の危険をすべて表現できているとは限りません。ご自分の五感も大切に、危険を感じとってもらうことも大切だと思います。川の近く、ガケの下、周囲の地形をよく観察しながら、危険を感じたら早めに避難する。この行動力が命を守ります。