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昨日(25日)の北海道は各地で雨が降り、雷を伴って降り方が強まった所もありました。

昨日は道内8地点で5月1位の1時間降水量を観測し、5月に降った雨としては最も強い降り方となりましたが、道央の余市や新篠津では1時間降水量は最大でも9ミリ。「やや強い雨」とも呼ばれない降り方での記録となりました。

1時間10ミリ以上で「やや強い」雨

気象庁では、雨の降り方の表現を1時間降水量を元に基準を定めています。

1時間10ミリ以上20ミリ未満が「やや強い雨」で、ザーザー降りの雨を指し、20ミリ以上30ミリ未満が土砂降りとも表現される「強い雨」という具合です。

昨日は道内で1時間10ミリから15ミリほどの雨が観測され、一部では「やや強い雨」となりましたが、多くの地域が1時間10ミリ未満でした。

道央の余市や新篠津でも、昨日の1時間降水量は最大で9.0ミリ。気象庁の区分では「やや強い雨」とすら呼べない雨となりますが、その1時間9.0ミリでも、5月としては余市、新篠津それぞれの地点の1時間降水量の観測史上1位の記録。5月の最も強い雨となったわけです。

札幌でも数十年に1度 5月のやや強い雨

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本州では1時間10ミリから20ミリくらいの雨はこの時期でも毎年のように観測されますが、5月の北海道は多くの地点で、1時間降水量の1位の記録が10ミリ前後です。

札幌でも1961年の5月5日に観測された1時間12.4ミリが過去最大。札幌では1889年から統計が始まっていますが、100年を超える歴史の中で、5月に1時間10ミリ以上の雨を観測したのはわずか5回となっています。

先週も、18日月曜日は大阪で1時間15.5ミリ、19日火曜日は東京で1時間12.5ミリの雨が観測されていますが、5月の札幌では、あれほどの雨は過去1度も降ったことがないのです。

気温の低さが大きな理由

北海道で、本州に比べて雨が強まりにくい大きな理由の一つが、気温の低さ。

5月の北海道では、日中でも20度に届かない日が多く、朝晩は気温が氷点下となる日もまだあります。周辺の海面水温も10度未満の所が多い時期です。

気温の低い空気は、気温の高い空気と比べて含むことのできる水蒸気の量が少なくなるため、気温の違いによって、空気中に含まれる水分の量に差が出ます。

北海道周辺の空気は、本州の空気より雨雲の元となる水蒸気が少ないので雨雲が極端に発達することがなく、大雨や強い雨が降りづらいのです。

明日は再びやや強い雨に

明日(27日)から明後日(28日)にかけては、低気圧を含む気圧の谷が北海道付近を通過するため、再び雨が強まる恐れがあります。

1時間降水量としては強い所でも10ミリ前後とみられますが、昨日同様、5月としては記録的な強さとなる所もあるかもしれません。最新の気象情報に注意が必要です。