台風12号は、反時計まわりに進路を変えて、本州に近づくという珍しいコースを進む予想です。28日〜29日には、本州に接近・上陸の恐れがあります。台風の近づく関東は、土曜日は雨や風が強まり、大荒れの天気になりそう。レジャーやイベントを計画している方は、早めの対策を。
台風の動きは 取り巻くもの次第
台風12号は、26日9時現在、沖ノ鳥島近海をゆっくり北東へ進んでいますが、この後は見たことのないコースを進むでしょう。28日の朝までは北よりに進みますが、その後、進路を西よりに変える予想です。今回のように関東付近で「西よりに進路を変える」のは、とても珍しいことです。
台風が反時計回りに進路を変えるのは、大きく2つの理由があります。1つは、台風が近づくのと同じタイミングで、上空に寒気を伴った「寒冷渦」がやってくるからです。「寒冷渦」の周りは、反時計回りの風が吹くため、その風にのって、台風12号も反時計回りに進路を変える予想なのです。もう1つの理由は「高気圧の張り出し」です。週末は、日本の東の高気圧が、東北や北海道付近に張り出す見込みです。その高気圧の縁をまわるように台風が進むため、西よりに進路を変える予想なのです。
過去に同じような台風も
過去に、似たような動きをした台風は、2016年の台風10号。この台風も、当時、日本海にあった低気圧によって動きが複雑になり、岩手県に上陸して日本海に抜けました。今回の台風12号は、2016年10号よりも南で反時計回りにコースを変えるので、コースによっては、広い範囲に影響を及ぼす恐れがあります。
いつから大荒れ? 雨や風の予想は?
台風は、暖かい海からエネルギーをもらって発達しますが、このところの猛暑の影響もあり、東日本や西日本の沿岸では、海面水温が高くなっています。このため、台風12号は発達しながら北上して、27日午後には「強い」勢力で、小笠原諸島に最も接近するでしょう。小笠原諸島では、27日午後は、猛烈な風が吹き、海は大しけとなりそうです。暴風に厳重に警戒し、うねりを伴った高波にも警戒が必要です。
台風12号は、28日には、伊豆諸島に接近して、29日かけて、本州に接近・上陸する恐れがあります。28日からは、東日本の太平洋側でも非常に強い風が吹き、海は大しけとなるでしょう。海のレジャーを予定している方は、中止する勇気も必要です。
また、台風12号が近づくタイミングは、年間で最も潮位が高い時期でもあるので、高潮の恐れもあります。高潮にも、十分お気をつけ下さい。
そして、台風周辺に広がる発達した雨雲がかかるため、雨も強まります。小笠原諸島では、27日にかけて、雷を伴った激しい雨が降り、大雨となるでしょう。27日は、東日本太平洋側でも雨が強まり、29日にかけて雨量が増えそうです。
27日(金)12時から28日(土)までの24時間に予想される雨量は、いずれも多い所で、伊豆諸島で100〜200ミリ、小笠原諸島、関東地方と甲信地方で100〜150ミリ、東海地方で50〜100ミリとなっています。ただし、これは、土曜日正午までの予想雨量です。関東など本州では、土曜日正午以降も、雨が更に強まり、総雨量が多くなるでしょう。土曜日の関東は、雨だけでなく、風も強まるので、大荒れの天気になる恐れもあります。7月最後の土日で、様々なイベントが予定されていますが、実施計画を見直すなど、早めの対策を心掛けて下さい。