気象庁は12日、エルニーニョ監視速報を発表しました。2017年4月の時点では、エルニーニョ現象として発達する明瞭な兆候は見られない状況です。秋のはじめまでにエルニーニョ現象が発生する可能性は50%となっています。

4月の実況

2017年4月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.6度で、基準値より高い値でした。2月以降3か月続けて+0.5度以上となっています。
エルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値より高い状態が続いていますが、大気と海洋の状態にはエルニーニョ現象として発達する明瞭な兆候は見られない状況です。

今後の見通し

今後、エルニーニョ監視海域の海面水温は、秋のはじめまでに基準値に近い値か基準値より高い値で推移する予想です。秋のはじめまでにエルニーニョ現象が発生する可能性は50%、平常の状態が続く可能性も50%となっています。

エルニーニョ現象とは

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸にかけての海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。エルニーニョ現象が発生すると、太平洋赤道域の東部の海面水温が上昇する一方で、太平洋熱帯域の西部では海面水温が低下して対流活動が不活発になります。このため、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが弱くなり、日本の夏の天候は低温や多雨、また日照時間が少なくなる傾向があります。
【定義】
気象庁では、エルニーニョ監視海域の海面水温の 基準値との差の 5か月移動平均値が6か月以上続けて +0.5℃以上となった場合を「エルニーニョ現象」、−0.5℃以下となった場合を「ラニーニャ現象」と定義しています。