日本気象協会は2017年春の花粉飛散予測第4報を発表しました。九州地方で花粉の飛散が確認され、いよいよ本格的な花粉シーズン到来です。お出かけの際は万全の対策を心掛けましょう。

2017年 春のスギ花粉飛散開始予測・前線図(2017年2月14日発表)
2017年 春のスギ花粉飛散開始予測・前線図(2017年2月14日発表)

【飛散開始時期】九州で飛散開始・いよいよ本格的な花粉シーズン到来!

1月前半は、気温の高い日もありましたが、後半は強い寒気が流れ込み、西日本を中心に記録的な低温や大雪となったところもありました。また、気圧の谷や上空の寒気の影響により、東日本の日本海側や西日本では、日照時間がかなり少なくなりました。1月後半から2月はじめにかけて、寒中らしい寒さが続きましたが、立春の頃は暖かくなりました。そのため、九州地方の福岡、長崎、大分県で花粉の飛散開始を確認できました。東京都内の観測地点(大手町)でも、わずかに飛散が確認されています。
また、今週の後半は暖かくなるため、四国、中国、東海、近畿、北陸、関東甲信地方で、花粉の飛散が始まるところがあるでしょう。2月下旬から3月にかけての気温は、東日本ではほぼ平年並み、西日本では平年並みか高い見込みです。春らしい陽気を感じられる日が少しずつ多くなりそうです。この時期に東北地方で花粉の飛散が始まり、西日本や東海、関東甲信地方ではピークを迎えるでしょう。また、北海道では4月の気温がほぼ平年並みの予想で、花粉の飛散開始は例年と同じく、4月下旬となる見込みです。

2017年2月11日に東京都(大手町)で観測されたスギ花粉(※スギ花粉は染色しています。)
2017年2月11日に東京都(大手町)で観測されたスギ花粉(※スギ花粉は染色しています。)

【ピーク予想】まもなく福岡でピークがやってくる!

スギ・ヒノキ花粉の飛散数がピークになる時期は、花粉シーズン中の気温や予想される総飛散数と関係があると考えられます。2月の気温は全国的にほぼ平年並み、3月の気温は平年並みかやや高い予想ですが、ピーク時期を早めるほどではないでしょう。このため、スギ・ヒノキ花粉それぞれのピーク時期は例年並みの見込みです。
●スギ花粉のピーク
福岡は2月下旬から3月上旬、高松・広島・大阪・名古屋・東京は3月上旬から中旬でしょう。金沢と仙台は3月中旬から下旬にピークを迎える見込みです。
●ヒノキ花粉のピーク
スギ花粉のピークが終わった後は、各地でヒノキ花粉がピークを迎えるでしょう。金沢と仙台は4月にヒノキ花粉が飛散しますが、飛散数が比較的少なく、前シーズンに続き今シーズンもはっきりとしたピークはない見込みです。

2017年 スギ・ヒノキ花粉のピーク予測(2017年2月14日発表)
2017年 スギ・ヒノキ花粉のピーク予測(2017年2月14日発表)

【飛散数予想】西日本を中心に例年・前シーズン以上に要注意!

●前シーズン比
2017年は、九州・四国・近畿・東海地方で非常に多く、中国地方で多く飛散する見込みです。北陸地方はやや多いでしょう。関東甲信地方ではやや少なく、北海道では少ない見込みです。東北地方では非常に少ないでしょう。

2017年 春の花粉飛散数予測・前シーズン比(2017年2月14日発表)
2017年 春の花粉飛散数予測・前シーズン比(2017年2月14日発表)

●例年比
2016年の夏は、全国的に気温が高くなりました。日照時間は、北海道・北陸・東海・近畿・四国・九州地方のほとんどで多く、特に九州北部では非常に多くなりました。一方、北海道では前線や低気圧、台風の接近や上陸などの影響を受け、降水量が記録的に多くなりました。
九州・四国・近畿・東海地方では高温・多照などの花芽が多く形成される気象条件がそろうため、多くの地域で花粉の飛散数は例年を上回る予測となっています。また、北陸・中国地方では、例年並みの飛散数となる見込みです。一方、東北・関東甲信地方では、飛散数は例年よりやや少なく、北海道では非常に少ないでしょう。
各地で花粉の飛散が確認され、いよいよ花粉シーズンの到来です。お仕事やお出かけの際は、しっかりと花粉症対策をしましょう。
また、tenki.jpの「花粉情報」では、より詳細な市町村ごとの花粉情報を毎日更新してお届けしています。1週間先までの日々の予測を確認することができます。日々の花粉症対策にお役立てください。

2017年 春の花粉飛散数予測・例年比(2017年2月14日発表)
2017年 春の花粉飛散数予測・例年比(2017年2月14日発表)