クッションは長期間使用していると、目に見えない汚れが溜まってきます。
クッションの中には自宅で洗濯できるものもありますので、定期的にお手入れすることをおすすめします。
今回は、クッションの正しい洗濯方法と、洗濯する際の注意点をご紹介します。

クッションを洗濯しても大丈夫?

クッションを洗濯できるかどうかは、その製品によって異なります。洗濯不可のクッションを洗ってしまうと、生地が傷んでしまったり、色があせたりする原因となりますので、クッションのお手入れをする際は必ず洗濯できる製品かどうか確認しましょう。
クッションが洗濯できるかどうかは、洗濯タグに記載された洗濯表示でチェックできます。洗濯桶に数字が入っているマークがあれば、基本的に家庭用洗濯機で洗うことが可能です。[注1]
中の数字は液温の上限で、たとえば「40」であれば40℃以下の水温で洗濯できることを意味します。

洗い桶に1本ないし2本のアンダーラインが入っている場合は、通常よりも弱い水流で洗うことを示しています。ラインの数が多いほど、より弱い洗濯処理を行う必要があります。
洗い桶に手のイラストが描かれている場合は、洗濯機ではなく手洗いでお手入れしなければなりません。数字は入っていませんが、液温は40℃が上限となります。
なお、洗い桶に×マークがついている場合は、家庭での洗濯は禁止されているので、お手入れしたい場合は業者に頼む必要があります。

[注1]消費者庁:「家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規定の改正について-衣類等の洗濯表示(取扱い表示)が変わります-」p5

クッションの正しい洗濯方法を素材別に解説

洗濯機を使ってクッションを洗濯する際の基本的な流れは以下のとおりです。

カバーを外して洗濯ネットに入れる
おしゃれ着用洗剤を使用し、手洗いコースやソフトコースで洗う
1分ほど脱水にかける

手洗いする場合の手順は以下のとおりです。

クッションが収まる大きさの容器に水を張り、おしゃれ着用洗剤を溶かす
カバーを外し、クッションを容器に沈めて優しく押し洗いする
1分ほど脱水にかける

以上が基本的な洗い方ですが、クッションの素材ごとに以下のポイントを押さえておきましょう。

■ポリエステル

ポリエステルは耐水性・耐久性ともに高い素材なので、ほとんどのものは家庭用洗濯機で洗えます。
基本さえ押さえておけば、とくに気をつける点はありませんが、ポリエステル以外に、水に弱いポリウレタンが入っている場合は水洗いできませんので注意しましょう。

■ウール、綿

ウールや綿の表面は天然の油脂でコーティングされていますが、洗濯するとそのコーティングが劣化して固まってしまう場合があります。また、ウールや綿は水を吸い込みやすく、一度水洗いすると乾かすまでに時間がかかってしまいます。
生乾きの状態が長時間続くと、内部でカビや雑菌が繁殖する原因になります。ウールや綿のクッションは自宅で洗うよりも、クリーニング業者に任せたほうが良いでしょう。

■ダウン、フェザー

ダウンやフェザーは水鳥の羽毛なので、水に強い素材です。ただ、フェザーには羽軸がついており、洗濯機で回すと軸が折れてしまう場合があります。
できれば手洗いするのが理想ですが、洗濯機を使用する場合は、手洗いコースやソフトコースなど、弱水流で洗えるコースを洗濯しましょう。また、脱水時間は長くても1分程度に収めたほうが無難です。

■ビーズ

ビーズに使われているポリスチレンは水洗い可能な素材ですが、一部製品にはポリウレタンが使われているので要注意です。
また、クッションに使われるビーズは粒が小さいため、生地にほころびがある状態で洗濯すると、洗濯槽内にビーズが溢れてしまうおそれがあります。掃除に手間がかかるのはもちろん、場合によっては洗濯機の故障の原因になりますので、ビーズクッションを洗うときはほころびや穴がないかどうか事前によく確認しましょう。

クッションを洗濯するときの注意点

クッションを自宅で洗濯する際に注意したいポイントを3つご紹介します。

■1. 色落ちに注意

色柄付きのクッションを洗濯すると、色が落ちてまだらになったり、色が薄くなってしまったりすることがあります。
原色に近い濃い色合いのクッションを洗うときは、洗剤の原液を目立たない場所につけて色落ちしないかどうか確かめてみましょう。

■2. 水気をしっかり切る

クッションは長時間脱水にかけると型崩れの原因となりますが、かといって濡れたまま自然乾燥させると長時間生乾きの状態になり、カビが生えることがあります。
1分ほど脱水をかけてみて、水気が十分切れていないと感じたら、大判のバスタオルなどでクッションを包み、上から優しく押し当てるようにして水気をなるべく取り除きましょう。

■3. クッションは平干しが基本

クッションを衣類のように吊り干しすると、重力に従って中綿が下に偏ってしまい、型崩れの原因となります。
クッションは平干しネットを使用するか、あるいは洗濯ピンチの天板などに載せて平干しするようにしましょう。

クッションを家庭で洗濯するときは素材に注意しよう

クッションの中には家庭で洗濯できるものもあります。ただ、素材によっては家庭での洗濯に適さないものや、洗うときに注意が必要なものもあります。
素材はクッションの洗濯タグなどに記載されていますので、それぞれに適した洗濯方法でお手入れするようにしましょう。

クッションが乾きやすいタイミングを知りたいときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の「洗濯指数」をチェックするのがおすすめです。