花粉症に悩まされている方の中には「エアコンを使うと、外気と一緒に花粉が部屋に入り込んでしまうのでは?」と不安に思っている方も多いかもしれません。エアコンは部屋の温度を調整してくれる便利な家電なので、花粉シーズンに使えなくなるのは困りものですが、実際に花粉がエアコンから入ってくることはあるのでしょうか。

今回は、エアコンが花粉症の原因になる可能性や、花粉が付着したエアコンフィルターのお手入れ方法について解説します。

花粉はエアコンから入ってくる?

一部の機種を除いて、エアコンの使用で外気と一緒に花粉が部屋に入ってくることはほとんどありません。そもそもエアコンは、外から取り込んだ空気を部屋に排出しているわけではなく、部屋にもともとあった空気を冷やしたり、温めたりすることで、冷房・暖房の役割を担っています。

冷房のときは部屋の熱を外に排出したり、暖房のときは外の熱を取り込んだりしますが、外気そのものを部屋に取り込むわけではないので、エアコンから花粉が入ってくる心配はほとんどありません。

■花粉がフィルターに付着する可能性はあり

エアコンは部屋の空気を一旦取り込み、内部で冷やしたり温めたりしてから、再び部屋に戻すという作業を繰り返しています。そのため、部屋にもともと花粉が存在していると、空気を取り込んだときに花粉も一緒に吸い込んでしまい、フィルターに花粉が付着する可能性があります。

エアコンフィルターに花粉が付着した状態でエアコンを稼働し続けると、部屋の空気に花粉が混じり、花粉症の症状を引き起こす原因となります。花粉は窓や玄関を開けたときだけでなく、外出時に髪や服に付着している花粉をそのまま部屋に持ち込んでしまうこともありますので、花粉フィルターは定期的にお手入れすることが大切です。

花粉が付着したエアコンのフィルターを掃除する手順

花粉が付着したエアコンのフィルターをお手入れするときの基本的な手順をご紹介します。

■ステップ1.エアコンフィルターを取り外す

エアコンの前面パネルを開き、内部にあるエアコンフィルターを取り外します。フィルターの場所や、外す手順はエアコンによって異なるので、取り扱い説明書を確認の上、作業に取りかかりましょう。

なお、花粉症の方はエアコン内部やフィルターに付着した花粉を吸い込むことのないよう、あらかじめマスクやゴーグルなどを着用して予防することをおすすめします。

■ステップ2.フィルターの清掃

外したフィルターに掃除機をかけ、表面に付着した汚れや花粉を除去します。軽く叩いて落としてから掃除機で吸い取る方法もありますが、花粉が周辺に飛び散るおそれがありますので、最初から掃除機をかけた方が安心です。汚れがひどい場合は、大きいバケツや桶に張ったぬるま湯に中性洗剤を溶かし、その中でやさしく手洗いしましょう。使わなくなった歯ブラシなどを使用すると細かい部分まで掃除をすることができます。

汚れが目立たなくても、月に1回くらいのペースで水洗いすることを心がけると、フィルターをきれいな状態で長持ちさせられます。

■ステップ3.日陰で乾かす

流水で洗剤をよくすすぎ、タオルや雑巾などで水気を拭き取ったら、直射日光が当たらない場所で陰干しします。エアコンのフィルターは軽いので、外干しするときは風で倒れたり、飛ばされたりしないように注意しましょう。しっかり乾いたら、元の手順でエアコンフィルターを戻してお手入れ完了です。

生乾きのままフィルターを戻すとカビが繁殖する原因になりますので、元に戻すときは水気が残っていないかどうかしっかり確かめることが大切です。

部屋の花粉対策にはエアコンが効果的

前述の通り、一部の機種を除いたエアコンは部屋の空気を取り込み、内部で冷却・加熱し、再び部屋に戻すことで、部屋を冷やす・温める仕組みになっています。その過程で、部屋の空気に混じった花粉も一緒に吸い込み、フィルターでキャッチしてくれるので、部屋の空気を清浄にする効果も期待できます。

花粉は肉眼で見えず、部屋中の掃除で取り除くには限界がありますので、空気中の花粉を吸い込んでくれるエアコンは花粉対策にうってつけの家電といえるでしょう。

機種によっては、花粉の吸着に特化したフィルターを採用しているものもありますので、毎年花粉に悩まされている方はもちろん、花粉症の発症を予防したい方も、春先はエアコンを上手に活用して花粉対策されることをおすすめします。

エアコンは花粉対策に最適!月に1回はフィルター清掃する習慣をつけよう

換気機能が付いているようなものを除けば、一般的なエアコンは部屋の空気を循環させて温度を調節する仕組みになっています。そのため、エアコンを稼働させているからといって外から花粉が入り込む心配はほとんどありません。空気を取り込む際に花粉も一緒に吸い込んでキャッチしてくれるので、お部屋の花粉を減らす効果も期待できます。

ただし、エアコンフィルターに花粉や汚れが付着していると、風量が落ちてエアコンの効きが悪くなりますので、月に1回はフィルターを取り外し、清掃することを心がけましょう。

天気予報専門メディア「tenki.jp」では、花粉シーズン中、「今日の花粉飛散情報」および「週間花粉飛散情報」をWEB上で公開しています。エリアごとに、花粉飛散情報をわかりやすいマークで表記していますので、花粉対策が必要かどうかを判断する目安としてぜひご活用ください。