暦の上では秋でも、地域によってはまだまだ残暑が厳しい時期でもある9月。特に昼と夜、上旬と下旬では気温差が大きくなるので、着る服に困るという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、9月の気候の特徴を踏まえつつ、服装選びのポイントを旬や地域ごとにまとめました。

服装選びで重要な9月の気候の特徴

服装選びのポイントをチェックする前に、まずは9月ならではの気候の特徴を押さえておきましょう。9月の気候の特徴は大きく分けて3つあります。

■1.上旬と下旬で気温差が大きい

8月の下旬(例年23日頃)に二十四節気のひとつである「処暑」を迎えると、真夏の厳しい暑さが徐々に和らぐといわれています。しかし、9月上旬あたりまでは太平洋高気圧の勢いがなかなか衰えず、夏の残暑に悩まされる日が多い傾向にあります。一方で、9月も下旬に差し掛かると、気温がどんどん低下し、日中でも涼しいと感じる日が増えてきます。むしろ、日が落ちると肌寒くなることもありますので、上旬と下旬の気温差に注意する必要があります。

■2.朝晩と日中の寒暖差を感じやすい

暑さや寒さの感じ方は人それぞれですが、一般的には23~25℃くらいが半袖と長袖の境目といわれています。

9月になると、日中はまだ暑くても、朝晩の気温は20℃台前半やそれ以下の日が多くなりますので、半袖では肌寒さを感じるようになります。季節の変わり目であり、服装の変わり目でもあるため、一日を通じてより体が寒暖差を感じやすくなります。

そのため、まだ日中は暑いからと油断せず、帰宅が夜遅くなる人はとくに服装に注意しましょう。

■3.台風に注意

9月は8月に引き続き台風の多い時期として知られており、過去50年間の平均では約4.9個の台風が発生しています。[注1]台風が近づくと雨風の勢いが強くなりますので、出勤や外出をするときは雨風対策が必要となります。

9月上旬・中旬・下旬の服装のポイント

9月の気候の特徴を踏まえながら、服装選びのポイントを上旬・中旬・下旬の3つにわけて説明します。

■9月上旬はまだまだ暑さ対策が必要

9月上旬は残暑が厳しい時期なので、服装は通気性が良く、涼しいものを選ぶのがおすすめです。一方で、夏と同じコーディネートを選ぶとやや季節外れの印象を受けてしまいますので、9月に入ったら落ち着いた秋色を取り入れるのがポイントです。たとえば同じTシャツ・ノースリーブでも、ベージュやブラウン系のカラーを選べば、ぐっと秋らしい装いになります。

■9月中旬は5分丈~7分丈が活躍する時期

9月中旬になると、日中の気温はまだまだ高い日があるものの、厳しい残暑が和らぎ始めます。半袖やノースリーブでは肌寒さを感じることもありますので、5分丈~7分丈のトップスで上手に体温調節しましょう。春の気候によく似た時期でもありますので、春服を出してきて活用するのもOK。ベージュやアイボリー系なら、9月でも違和感なく着用できます。

■9月下旬は薄手の羽織り物を取り入れる

9月下旬になると、晴れた日中でも涼しさを感じる日が増えてきます。特に日が落ちた後は涼しさを通り越して肌寒さを感じ始める時期でもありますので、夕方~夜間にかけて外に出る場合は、薄手の羽織り物で軽く防寒対策しましょう。薄手のニットやショートブーツをコーディネートに取り入れるとトレンド感が増します。

地域による9月に適した服装の違い

日本は南北に長い島国ですので、同じ季節でも地域によって気温に大きな差が出ます。以下では一例として、主要な地域の9月の平均最高気温・最低気温をまとめました。[注2]

札幌 (日最高)22.8℃  (日最低)14.8℃

仙台 (日最高)25.0℃  (日最低)18.0℃

東京 (日最高)27.5℃  (日最低)20.3℃

大阪 (日最高)29.5℃  (日最低)21.9℃

福岡 (日最高)28.6℃  (日最低)21.6℃

那覇 (日最高)30.6℃  (日最低)25.8℃

北海道・東北エリアでは日最高気温が25℃以下、日最低気温は10℃台まで下がるため、日が落ちた後はぐっと肌寒くなります。日中もピーク時以外は比較的涼しい気候になるため、9月上旬から七分丈や羽織り物を活用した方が良いでしょう。

一方、東京以西ではまだまだ最高気温が25℃以上の夏日も多く、中旬以降でないと秋物アイテムの出番はないかもしれません。ただ、8月と比べると朝晩はだいぶ涼しくなりますから、真夏と同じようなコーディネートをすると冷えを感じることもあるので要注意です。

また、全国的に台風の影響を受けやすい時期でもあるため、こまめに気象予報や台風情報をチェックし、必要に応じて雨風対策を行うことが大切です。雨風が強くなる日はレインコートやレインブーツを着用する、ボトムスはパンツにする、濡れた時の対策としてさっと着替えられる羽織り物を用意するといった準備を怠らないようにしましょう。

9月は気温差に注意して服装を選ぼう

9月は上旬こそ残暑の厳しい日もありますが、中旬以降は暑さが和らぎ、日中でも涼しい日が増えてきます。特に下旬の朝晩は気温が下がり、肌寒く感じることもありますので、5分丈~7分丈のトップスや、薄手の羽織り物などを活用して上手に体温調節しましょう。

時間帯ごとの気温や、最適な服装を知りたいときは、天気予報専門メディア「tenki.jp」の服装指数を参考にするのがおすすめです。予想天気や予想気温に合わせて、朝・昼・夜の時間帯ごとにおすすめのコーディネート例を提案してくれるので、服装選びに迷ったときに便利です。服装指数は10日先まで毎日公開されていますので、外出する日にちや時間帯に合わせてチェックしてみることをおすすめします。

[注1]気象庁:台風の発生数[協定世界時基準](2020年までの確定値と2021年の速報値)

[注2]気象庁:過去の気象データ検索