2016年4月14日と16日に2度の最大震度7を観測した地震から5年が経ちます。今年の3月には、大きな被害を受けた阿蘇大橋も新しく開通し、復興が進みつつあります。

一方で、今年の2月にも東北地方で最大震度6強の地震が発生するなど、日本に住む以上どこにいても地震に襲われる可能性があることを忘れてはいけません。今回は、大地震が発生した時にどのように行動したらよいか、そして日頃からできる備えについてご紹介したいと思います。

地震が起きたら

揺れを感じたら慌てず落ち着いて行動することが大切です。揺れが大きくなるほど、落ち着いて行動するのは難しくなるとは思いますが、屋内でも屋外でも、まずは「頭を守ること」が重要です。

【地震発生時の行動】

<屋内(自宅)>

・頭を保護して、丈夫な机の下など安全な場所に避難

・慌てて外へ飛び出さない

・無理に火を消そうとしない

<屋内(駅や商業施設など)>

・エレベーターではすべての階のボタンを押して、最初に止まった階で降りる

・スーパーやコンビニでは陳列棚から離れ、買物カゴなどをかぶって身の安全を確保する

・慌てて出口、階段などへ殺到しない

<屋外>

・ブロック塀や、大きなガラスなどから離れ、落下物から身を守る

・鞄、リュックなどで頭部を保護する

<自動車運転中>

・ハザードランプを点灯し、周りの車に注意を促す

・緩やかに速度を落として、道路の左側に停止する

揺れがおさまって避難する際は

揺れが完全におさまったのを確認してから動くようにしてください。

自宅が倒壊や火災の恐れがある場合は、避難の準備をしなければなりません。まずは出口を確保し、火元を確認してガスの元栓を閉めましょう。また、地震による停電が復旧したときに発生する「通電火災」は「ブレーカーを切る」ことで防ぐことができます。避難する際は「ブレーカーを切る」を徹底しましょう。

避難の際には、けがのリスクを少しでも減らすため、

①帽子やヘルメットをかぶる

②服装は長袖長ズボン

③履きなれた底の厚いスニーカーを履く

など露出が少なくかつ、動きやすい服装で避難するようにしましょう。パニックにならないように、日頃から地震発生時の行動をシミュレーションしておくことが大切です。

それから、いざという時のために、貴重品・非常食・救急セット・懐中電灯・軍手・ラジオ・携帯電話のバッテリーなど、必要最低限の持ち物を事前に準備しておきましょう。玄関やリビングなどすぐに持ち出せる場所に置いておくと安心です。

在宅避難の際に必要な「備え」

自宅で安全が確保できる場合は、在宅避難という選択もあります。ただしその場合、備蓄品は必須です。

災害発生時には、人命救助のリミットである72時間は生存者の救助が優先されますので、物資が届き、生活必需品の配給が本格化するのはそれ以降になります。生き延びるために、最低でも1人3日分以上の飲料水・食料を備えておくことが望まれます。なお大人1人につき、1日約3Lの飲料水が必要と言われています。

そこでおすすめの備蓄法として、「ローリングストック」があります。普段食べているものを少し多めに買っておき、食べたら食べた分だけ書い足し、常に一定量の食料を備蓄する方法です。この「ローリングストック」であれば、鮮度を保ちながら食材を備蓄することができるので、いざという時に賞味期限切れ・・・という事態を防ぐことができます。

いざという時に慌てず、落ち着いて行動するためには、事前の備えや、災害発生時のシミュレーションをしておくことが大切です。この記事を読んで、家族や友人と日頃からできる備えについてお話頂けると幸いです。