東松島市 復興記念桜 生長する桜とともに

2019/04/26 14:00

東日本大震災の翌年の2012年5月4日、宮城県東松島市に震災からの復興を願って植樹した「復興記念桜」は、まもなく7年経過します。今年も4月23日に、現地を訪ねました。

宮城県東松島市の復興記念桜(2019年4月23日撮影)
宮城県東松島市の復興記念桜(2019年4月23日撮影)
植樹から7年「復興記念桜」の生長 「復興記念桜」訪ねたのは4月23日火曜日、桜は散り始めていましたが、時折吹く風でハラハラと花びらが舞う様がとても綺麗でした。初めて花が咲いたのは約4年前の春。それから少しずつ咲く花の数も増えて、今年は花吹雪を見せてくれるまでに。 たくさんの花を付けていた桜の生長を、頼もしく感じました。また、隣接する敷地に咲くたくさんの菜の花とのコラボレーションもとても綺麗でした。 先週末4月19日金曜日頃がちょうど見頃で、ソメイヨシノは薄いピンク色、シダレザクラは少し濃い目のピンク色で満開だったそうです。日ごろから桜の手入れをしてくださっている鹿妻地区の皆様は、2色のピンクがとても綺麗だったと笑顔でおっしゃっていました。
菜の花とのコラボレーション(2019年4月23日撮影)
菜の花とのコラボレーション(2019年4月23日撮影)
「復興記念桜」を植えることになった経緯 2011年3月11日に発生した東日本大震災では、多くの桜も被災により失われました。毎年見てきた桜の花を再びみんなの手で咲かせたいという気持ちから、日本気象協会では2012年に「春を報(しら)せる百円桜プロジェクト」の中で、皆様から募金を募りました。このプロジェクトの初めての植樹となったのが、東松島市鹿妻地区の「復興記念桜」で、ソメイヨシノとシダレザクラを15本ずつ植えることが出来ました。 枯れてしまったり、花が咲かなかったり、接いだ部分から折れてしまった木が数本ありますが、日ごろからの鹿妻地区の皆様のご協力の下、ほとんどの木はすくすくと生長しています。植えられている土との相性が良いようで、生長は順調そのものです。「復興記念桜」がその生長とともに、東松島市の震災からの復興の象徴になるよう願っています。
桜の手入れ 桜の手入れは、自治会長の齋藤さんをはじめ、鹿妻地区の皆様がしてくださっています。 これからは、雑草が生い茂る季節で、夏にかけて、桜が植えられている急斜面を、草刈機を使って除草作業を行ってくださいます。また、去年課題になっていた花の咲かない「てんぐ巣病」にかかっていた枝は、冬の初め、桜がまだ冬眠している頃に切り落として、切り口を保護してくださっていました。 「てんぐ巣病」は落ち着いたものの、新たな心配事も出てきました。「こうやく病」です。カビの一種で、生長した木の幹の表面にコケのように広がっていきます。放置すると次第に木が衰弱し、枯れてしまうそうです。「こうやく病」は近くの桜の名所「滝山公園」の桜や、隣接する梅の木にも見られています。現状、まだ若い「復興記念桜」には見られませんが、桜が生長するに伴い、「こうやく病」にかかる可能性が大きくなっていくそうです。感染が見つかった場合には石灰硫黄剤を使っての消毒が必要になるとのことでした。
枝を切り落として、切り口を保護してくださったようす(2019年4月23日撮影)
枝を切り落として、切り口を保護してくださったようす(2019年4月23日撮影)
まずは10年 東日本大震災から丸8年が経過し、震災時に小学生だった子供たちは、今年の1月に成人式を迎えました。鹿妻地区の皆様と一緒に桜を植えてからは、まもなく丸7年になろうとしています。この間、「まずは10年」強く大きく咲き誇る桜に育てようと、日本気象協会は、鹿妻地区の皆様と桜を見守ってきました。 今回の訪問では、桜を見ながら、桜の生長やこの1年での変化など、鹿妻地区の皆様にお話を伺った後、自治会長の齋藤さんのお宅で、震災当時のお話や地区の皆様やご家族のお話など伺うことが出来ました。震災の記憶は、人それぞれ、未だ鮮明に覚えていることもあれば、だんだんと薄れていくものもあるかと思います。また、年月が経過するにつれて、震災を知らない世代も増えていくことでしょう。 震災の記憶が徐々に風化していく一方で、桜は毎年少しずつ生長し、綺麗な花を咲かせています。震災を知らない子供たちがこの場所を訪れたとき、桜を前に心を和ませることでしょう。そして、桜が植えられた経緯から、東松島市の歴史として大きな震災があったことを知るきっかけになればと願っています。 将来、立派に生長した桜の並木に、たくさんの人々が憩い、歴史ある矢本横穴墓群とともに、桜の名所となる日まで、日本気象協会は、鹿妻地区の皆様と一緒に「復興記念桜」を見守っていきたいと思っています。
東松島市鹿妻自治会のみなさんと(一番右が自治会長の齋藤さん)
東松島市鹿妻自治会のみなさんと(一番右が自治会長の齋藤さん)
東松島市 復興記念桜のアクセス 桜は、一般の方も見学可能です。 住所:宮城県東松島市矢本上沢目 アクセス:(電車)JR仙石線 鹿妻駅から徒歩約15分/(車)三陸自動車道 鳴瀬奥松島ICから約10分 ※車でお越しの際は、願成寺様を設定されると近くまでお越しいただけます。 鳴瀬奥松島ICからお越しの場合、願成寺様の少し手前にチェーン着脱場があり、そこから畑をはさんだ場所が復興記念桜が植えられた市道です。
東松島市復興記念桜の地図
東松島市復興記念桜の地図
----~春を報(しら)せる百円桜プロジェクト~ 1. 桜が描かれた百円玉で、東北に満開の桜を。 [2012年3月23日] 2. 一枚の桜が世代を超えて語り継がれる [2012年3月29日] 3. 善意の桜も花ひらく [2012年4月1日] 4. 東京は今年初めて20℃を超え [2012年4月5日] 5. 桜も温かい心で満開に(結果のご報告) [2012年4月10日] 6. 東北にさくらを植えてきました(植樹のご報告) [2012年5月18日] 7. 植樹した苗木は今(2012年9月) [2012年10月10日] 8. 桜ライン311に植樹 [2012年12月20日] 9. 「春を報せる百円桜プロジェクト」最後の植樹 [2013年4月24日] 10. 植樹から一年、桜の花が咲きました [2013年5月9日] 11. 崖の下にも3年、ついにソメイヨシノも花を咲かせました [2014年4月24日] 12. 復興記念桜・満開宣言! [2015年4月27日] 13. 雨にも風にも負けず 復興記念桜花開く [2016年4月22日] 14.今年も満開!あさって復興記念桜は6年生 [2017年5月2日] 15.【復興記念桜レポート】まもなく7年目 満開の報せとこれからの課題とは[2018年4月25日]

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