2018年がはじまり、もう2週間が経ちました。すっかりお正月気分も抜け、お仕事や学業に戻った方が多いかと思います。お正月気分が抜けきった今日、1月15日は「小正月」です。現代人の生活にはあまり馴染みのない小正月ですが、昔から小正月になると一年の厄を払うために様々な行事が行われています。今回は、小正月についてご紹介します。

小正月ってどんな日?

1月1日から7日までの7日間を「大正月」と言います。それに対して、1月15日は「小正月」と呼ばれています。それでは、どうして1月15日が「小正月」と呼ばれているのでしょうか?実は、この日が「小正月」と呼ばれているのには、月の満ち欠けが関係しています。
月の満ち欠けを基準として1ヶ月が決められていた時代、新月から月が満ちて、また新月になるまでが1ヶ月とされていました。そして、その1ヶ月の間で満月が見える日が、大体15日頃。満月がめでたいものと考えられていた昔の名残で、1年で最初に満月が見える1月15日が「小正月」と呼ばれるようになったのです。
ちなみに、年末から大正月まで忙しく働いた女性たちがようやく落ち着けることから、1月15日前後のことを「女正月」と呼ぶ地域もあるようです。年末年始働いてくれてありがとう、という気持ちを込めて、お母さんがやっている家事を手伝ってみるのもいいかもしれませんね。

小豆を食べて厄払い?

昔から、赤いものには魔を払う効果があるとされています。また、豆は「魔(マ)を滅(メ)する」という意味合いを持っていることから、小豆は縁起物とされてきました。そのため、小正月になると一年の無病息災を願うために「小豆粥」を食べる地域があるそうです。小豆粥のほかにも、お汁粉やぜんざいを食べる地域もありますが、小正月に小豆を使った料理を食べるのは共通なんですね。
昔から縁起物として食されている小豆ですが、実際小豆には食物繊維やビタミンB1・B2、ポリフェノールなど、たくさんの栄養が含まれています。一年元気に過ごすことを願って、小正月の今日は小豆を使った料理を食べてみてはいかがでしょうか。

左義長?どんど焼き?小正月の伝統行事

小正月には、一年の厄を払うために各地で様々な行事が行われています。
みなさんは、「左義長」という行事を知っていますか?地域によっては「どんど焼き」「道祖信祭」「三九郎焼」「どんだら焼」などとも呼ばれています。この左義長という行事のはじまりは、平安時代だと言われています。平安時代の宮中では、お正月になると「打毬(だきゅう)」と呼ばれる遊戯が行われていました。打毬とは、赤白の二組にわかれた人々が馬に乗り、毬杖・毬打(ぎっちょう・ぎちょう)と呼ばれる棒の先に網が付いた道具を使って、自軍の色の球をゴールに入れるゲームです。この際に使われた毬杖は、お正月が終わると束ねられ、その上に扇や短冊を吊るしたものが陰陽師によって燃やされます。これは悪魔払いの儀式とされ、徐々に民間へと広まっていきました。これが、現在行われている左義長のルーツだと言われています。
現在でも左義長は各地で行われており、無病息災のお祈りとして正月飾りや書初めが燃やされます。また、その火で焼いたを食べると一年の厄を払えるとのこと。今年の厄払いに、左義長に赴いてみるのもいいかもしれませんね。

<参考・参照>
新谷尚紀 監修(2013)『絵でつづるやさしい暮らし歳時記』日本文芸社
井村屋, あずきの成分について
近江八幡観光物産協会, 左義長まつり
宮内庁, 打毬(だきゅう)