果物をはじめ、きのこやサツマイモ・落花生などの旬が到来! 味覚狩りの秋がやってきました。
秋の果物は追熟(収穫してから保存し、熟させるまでの期間)が必要ない果物も多く、食べごろぎりぎりまで熟させ、もぎたてを食せるのも「果物狩り」の醍醐味のひとつです。
「食育」にもつながる味覚狩りを、家族で体験したいと思っている親御さんも多いでしょうし、はさみなどは使わず、手で簡単にもげるものが多いので、幼児も気軽に楽しめる点も魅力ですね。
そこで、安全性にこだわる農園から、ペット同伴可、バーベキューができる農園をピックアップ!  旬を味わう絶好の季節を、ピクニックなどのレジャーとあわせてお楽しみください。

「梨狩り」にいってみよう!

7~11月まで楽しめる梨。噛みしめた果肉からしみ出る果汁は爽やかで、しゃりしゃりとした触感もたまりません。
【梨の種類】
梨には青梨と赤梨の2種類あります。青梨は「二十世紀」のような果皮が緑色。糖度はやや低くて酸味があるうえに、水分が多く、歯ごたえがあります。赤梨は「豊水」や「幸水」など。果皮が茶色で糖度の高さが特徴です。
【おいしい梨の見分け方】果皮の色味が濃いものを選びましょう。
「青梨」は、より明るい黄みがかった緑のものが、甘み&酸味のバランスが◯。「赤梨」は、より黄色く赤褐色のものが◯。
【保存方法】
梨などの果物の甘味は、長時間冷やし過ぎると薄れてしまうため、冷やすのは食べる1時間ほど前に冷蔵庫に移して冷やすようにしましょう。また、さらに美味しく食べるには、食べる直前に氷水に浸けるとよいでしょう。
参考:旬の食材百科
【こんなスポットがあります】
●高春園
千葉県松戸市高塚新田34 047-392-6491
10種類ほどの梨、さつまいもなどを栽培。直売所ではタイミングが合えば、珍しい梨の品種「あきづき」や「かおり」に出会えるかも! 梨狩りは、新高が収穫できる9月下旬からを予定しています。※梨の生育状況、他予約注文などにより梨狩りができない場合がありいます。梨狩りをする際は事前に農園に確認しましょう。
■梨狩り 幸水/8月中旬 豊水/9月 あきづき/9月中旬 新高/9月下旬
■芋掘り 10月~     ■キウイ 11月~12月
●悴田梨園
群馬県高崎市下里見町1153 027-343-5825
群馬県のほぼ中央に位置する榛名山の麓で、梨栽培を約140年にわたって手がける歴史ある農園。園内では梨、ブルーベリー、プラム狩りを楽めます。地質や風土に恵まれた環境でみずみずしく育った梨はひと味違います。また、ブルーベリーは木が低いので、幼児でも簡単に摘み取れることから、ファミリーに大人気!

「ブドウ狩り」にいってみよう!

子どもたちにも人気が高いブドウは、糖度が高く、甘い酸味がさわやか。濃い色の果皮と透明でみずみずしい果肉一粒一粒には、栄養とおいしさがギュッと詰まってます。主成分の糖質は夏のつかれを回復させる効果が期待でき、抗酸化物質を含むポリフェノールも、美容や健康維持に役立つといわれています。
巨峰やデラウェアなど、種類がさまざまなブドウですが、近年では皮ごとたべられる種なし品種も開発されて、いろいろ食べ比べるのもよいですね。低農薬で手間をかけて栽培されている農園もあります。
【ブドウの種類】
大きくわけると3タイプのブドウにわかれます。
■黒いブドウの品種の例:ウィンク巨峰・ピオーネ(巨峰とマスカットの交配種)・マスカット・ベリーA・ナガノパープル・スチューベンなど
■赤いブドウの品種の例:安芸クィーン(巨峰同志を交配)・キングデラウェア・甲斐路など
■青い(緑色の)ブドウの品種の例:白峰(巨峰の自然交配種)・ナイアガラ・マスカットオブアレクサンドリア・シャインマスカットなど
参考:旬の食材百科
【ブルーム(白い粉)について】
収穫の際に白い粉のついたブドウがありますが、農薬でもなければ、カビでもありません。白い粉はブルームと呼ばれ、ぶどうを虫や病気などから守るためのもの。新鮮でみずみずしいぶどうにしかブルームはつかないので安心してぶどう刈りを楽しみましょう。
【こんなスポットがあります】
●小松沢レジャー農園
埼玉県秩父郡横瀬町横瀬1408 · 0494-24-0412
いちご狩りやブドウ狩りをはじめ、しいたけ狩り体験などができる埼玉県内最大級の観光農園です。季節ごとに、カブトムシ、マスつかみ、マス釣り、さつま芋堀などの体験ができます。さらに、うどん作りやそば打ち、ピザ焼き、溶岩バーベキューやきのこ鍋はここでしか味わえない一品。いつ訪れても家族みんなで楽しめます。
■ブドウ:8月中旬~11月下旬      ■しいたけ:通年
■さつまいも:10月上旬~11月上旬    ■いちご:12月上旬~6月下旬

「落花生(ピーナッツ)堀り」にいってみよう!

秋のさつまいも堀りはポピュラーですが、落花生堀りを体験したことはありますか?
落花生(ピーナッツ)の収穫は土から掘るのですが、落花生は花が咲いた後に花が土に潜り、実を育みます。よって、花が落ちたところに実ができるので「落花生」という名前がついています。現在、日本の主な産地は千葉、茨城、神奈川などで、生産量の8割弱を千葉県が占めます。残る1割が茨城県で、この2県で全国の生産量の9割を占めています。
新鮮な落花生の塩ゆでや天日干しは、濃厚で香ばしいですし、収穫体験はえがたい体験。ぜひ一度チャレンジしてみては。
【こんなスポットあります】
●空と大地の丘 森本農園
千葉県木更津市矢那3692  0438-53-7273
果物狩りの他、農園で栽培された新鮮野菜を収穫して(持ち帰りつき)バーベキューを楽しめる農園です。今の時季は芋ほり、さらに、焼き芋や採れたて茹で落花生など、地元でしか味わえない格別な味を親子で堪能できます。また、いちご、ブルーベリー、プラム、リンゴ、栗、柿、みかん……と多様な季節の果物狩りも楽しめます。子どもの遊び場のプレイスペースも併設されていて、休憩施設、水道、農具、駐車場は無料で使用可能です。

「みかん狩り」にいってみよう!

みかん狩りは、ジューシーで香りがある果実を自分の目で選択して収穫できる点に醍醐味があります。その美味しさは、お店に並ぶ商品を買ったものとはひと味もふた味も違うはず!
【甘いみかんの選び方】
枝の先のほうで、下向きにぶらさがっているものほど栄養がゆき届き、美味しいとされています。みかん刈りの際には、次の4つをチェックしましょう!
■色が濃い  ■皮のつぶつぶ(油砲)のキメが細かい  ■重量感がある  ■軸が細い
そこで、 持ち帰ってきたたくさんのみかんで、冷凍みかんに挑戦してみませんか? 家庭でおいしい冷凍みかんをつくるには、酸化や乾燥を防ぐために「氷の膜」を作ることがポイントとなります。
【おいしい冷凍みかんの作り方】
1.一度みかんをそのまま冷凍庫で凍らせる    2.凍ったらすぐ、冷たい水にくぐらせる
3.冷凍庫で再び凍らせる(表面についた凍った水分が氷の膜)
これで完成! 冷凍みかんは密閉袋などに入れておけばより長持ちします。ご家庭で懐かしい味を楽しんでみては。
参考:NHKガッテン
【こんなスポットあります】
●松本農園
神奈川県足柄下郡真鶴町岩898-7 0465-68-0330
相模湾を見下ろすみかん農園です。みかん畑の敷地内にはバーベキュー広場・ドッグラン、 水仙ロード・甘夏雑柑畑・マウンテンバイクコースがあり、季節に応じてみかん、甘夏雑柑狩り、水仙花摘み、マウンテンバイクも楽しめます。ドッグラン、バーベキュー施設、レンタル犬などは年間通して使用可能(ただし園内整備や天候により、受付できない場合もあり)。緑に囲まれたみかん畑の中で、のんびりとした時間を家族みんなで過ごすことができます。
●きのこ苑 お山のたいしょう
神奈川県小田原市根府川657 0465-29-1393
箱根の山々に囲まれ、眼前には太平洋が広がる景観も魅力。1万5000本ものコナラの木にしいたけ栽培を行い、年間を通じて原木栽培しいたけ狩りが楽しめます。みかんやしいたけのほか、タケノコ、ブルーベリー狩り、草木染め体験(季節ごとに開催・要予約)、こんにゃく作り(通年・要予約)、きのこの炭火焼きや創作料理など旬の料理も楽しめます。また、四季折々の花が咲き、秋にはキバナコスモスが苑内を彩る点も魅力。来客状況や実りの状況により、もぎ取り・摘み取り量の制限があるので、来苑時には事前問合せを。