気温も湿度も高く、蒸し暑い日本の夏。北海道を除くと、その気候はなんと亜熱帯並みとか! さらに、今年は猛暑になるとの予報も……。夏休みや旅行の計画など楽しいイベントも多い時季だからこそ、夏バテによる体調不良はぜひとも避けたいものですね。夏の不調の原因を知って、毎日の食事のちょっとした工夫でしっかり対策。今年の猛暑を乗り切りましょう!

つら〜い夏の不調の原因と食事の関係とは⁉

暑い日が続くと、冷たい食べものや飲みものを選びがちになります。でも、とりすぎは禁物! 冷えにより胃腸の機能が低下して血液も薄まり、食欲不振やからだがだるいといった症状を引き起こす原因になってしまいます。この時季は、発汗でどんどんミネラル分も失われますので、さらに代謝がにぶるという悪循環に。この状態が繰り返されることで、いくら寝ても疲れがとれない、からだかだるい、食欲がない、集中力がない、といった夏バテの症状に陥ってしまうのです。

夏の野菜や穀物は、 夏バテ対策にぴったり!

暑い夏に旬を迎えるトマトやなす、きゅうりなどの夏野菜は、共通の成分としてカリウムと水分が多いことがあげられます。カリウムは体内にこもったナトリウムに作用し、体内の水分バランスを調整してくれます。また、野菜に含まれる水分は、この時季に濃くなりがちな血液濃度を薄くしてくれます。このふたつの成分により、からだが涼しくなって暑さがしのぎやすくなります。
初夏にとれる大麦や小麦も同じで、米と比べるとからだを涼しくしてくれる力をもっています。麦ごはんや小麦からつくるうどん、そうめん、パスタなど、さらりと食べやすい主食に変えていきましょう。
氷が入った飲みものやあえて冷たくした食べものをとるのではなく、夏に旬をむかえる野菜や穀物を積極的にとることで、からだにこもった熱を発散させてバランスをとることができるのですね。

毎日の食卓に夏野菜を取り入れて
毎日の食卓に夏野菜を取り入れて

知っていると安心! 夏の食べ方のひと工夫

ただでさえ暑いこの時季、カロリーの高いものや動物性のものは控えめにして、からだに負担をかけないようにするのが夏の元気の秘訣。一方で、夏になると必ずといっていいほど食べたくなる焼肉や鰻。そんな時は、大根おろしや酢のものを添えると消化がよくなります。動物性の食事をとる時は、このひと工夫をお忘れなく!
ぜひ心がけたいのが適度なクエン酸と塩分の補給。梅干しや酢のものを積極的にとる、酸味のあるぬか漬けを食べる、生のきゅうりやトマト、スイカには塩をふる。このように、身近な食材をひと工夫して上手に取り入れてみて。また、代謝を促すには意識的に熱いものを食べたり飲んだりするのも大切。水分のとりすぎを抑える役割もしてくれます。
日々の食事をひと工夫して、今年の夏を元気に涼やかに過ごしましょう!

生のきゅうりやトマト、スイカに塩をふって塩分補給
生のきゅうりやトマト、スイカに塩をふって塩分補給

参考文献
大森一慧 『からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て』 サンマーク出版 2008