花暦 4月「桜草(サクラソウ)」~栄枯盛衰をへて、世界へ広がった小さな花 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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花暦 4月「桜草(サクラソウ)」~栄枯盛衰をへて、世界へ広がった小さな花

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群生する二ホンサクラソウ

群生する二ホンサクラソウ

色彩豊かな西洋桜草(プリムラジュリアン)

色彩豊かな西洋桜草(プリムラジュリアン)

鉢の中の小惑星…のような花々

鉢の中の小惑星…のような花々

4月も半ばになりますと、大地に水が行きわたり、土の力が強くなってきます。この頃は、足元に咲く小さな花が私たちを楽しませてくれます。中でも、桜草(二ホンサクラソウ)は、日本原産の古典品種から世界へ飛び立った花だということをご存知ですか?
今では300ほどの品種があり、世界中に愛好者がいるほどです。4月15日の花でもあり、三渓園(横浜市)では、4月14日~20日まで「さくらそう展」が開催されています。

桜に似ているから、だけじゃなかった?…桜草いろいろ

サクラソウの語源はというと…和名では花の形が桜に似ているため、「桜草」と名付けられました。
学名は、「プリムラ・シーボルディ」と言います。ラテン語で「最初の」という意味の「プリムラ」と、江戸時代に来日しヨーロッパへ広めた植物学者・シーボルト博士の名前から名づけられたといいます。
サクラソウは、江戸時代には武家を中心に園芸種として人気を博し、当時すでに数百の品種があったと言われています。
『…関東平野を流れる荒川から採種された野生の桜草を江戸時代の庭師たちが栽培したことに端を発し、その後も園芸家たちが実生や交配を重ね可憐で変化に富むたくさんの桜草をつくりだしてきました。』(三渓園㏋より引用)
その後明治に入り、武家の終焉とともに一時期栽培が下火になりましたが、シーボルト博士が広めた種は、ヨーロッパで「プリムラ・ポリアンサ」となりました。その他に、「プリムラ・オブコニカ」、「プリムラ・マラコイデス」、「プリムラジュリアン」などが、日本の古典品種から改良を加えられて誕生しています。
写真の「プリムラジュリアン」は、色も多彩で花の生命が小さな花の一つ一つからあふれ出しそう華やかさが特徴です。お部屋や窓辺に飾り、元気をいただきたくなりますね。

自生している花もありますが…絶滅危惧の危険が!

前述したように元来、サクラソウは荒川を中心に自生していましたが、最近ではそのエリアは守らなければならないようになりました。なんと、環境省のレッドリスト(危険危惧種)の中で、【準絶滅危惧】にリストアップされているのです。
明治以降大正期に園芸種としては人気が復活したのですが、荒川沿岸に自生していた桜草は、1925年に国の天然記念物に指定され、埼玉県の田島ヶ原や戸田ヶ原がその対象地域となりました。その後、1950年には特別天然記念物に指定となり、現在に至っています。
ですが!園芸品種として発展してきましたので、サクラソウは手元で楽しむこともできます。
現在、三渓園(神奈川県横浜市)で、桜草のイベントが開催されています。
「鉢の上で楽しむ、可憐な“さくら” ―さくらそう展」は、4月14日~20日までです。
ぜひ、そちらへも足を運んでたくさんの桜草の中からお気に入りの一鉢を探すのも楽しいのではないでしょうか。
(開催の詳細はリンク参照)

これからはサクラソウに注ぎたい、花言葉は…

荒川沿岸で群生が見られる埼玉県と、明治以降愛好者が増えた大阪府では県花となっています。
また、東京・埼玉・大阪など日本全国に「さくらそう会」があり、世界中に愛好者の輪は広がり、1992年には国際シンポジウムが開催されたほどです。大きな桜のような感動はないかもしれないけれど、鉢の中で小さな惑星のように花を咲かせる様子は、愛好者が増すばかり…ということでしょうか。
花言葉は「長続きする愛情」です。
江戸時代から平成まで…私たちに愛情を注ぐように咲いてくれてきたサクラソウ。これからは私たちがサクラソウに「長続きする愛情」を注いであげたい。そんな風に思います。

《参考》
三渓園 公式サイト
環境省 公式サイト


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