入社式や入学式、始業式……4月はスタートの季節です。
でも、年度始めは新たな環境に身を置くことへの期待と同時に、緊張や不安などを抱えている人が多い時季でもありますね。
体や心はこれまでとは違う緊張状態となり、異なる環境が、知らず知らずのうちにストレスに……。こうした要因が「春うつ」を引き起こすといわれています。
そこで、春特有の「うつ」のメカニズムを知って、張り切りすぎず、頑張りすぎず、新生活を楽しみましょう!

春は新生活への期待が高まるとともにストレスをためやすい季節です。「春うつ」に注意しましょう
春は新生活への期待が高まるとともにストレスをためやすい季節です。「春うつ」に注意しましょう

「春うつ」の原因とは?

「うつ病」は心の病であることから、まだ判明していないことが多い病気ですが、脳の神経の情報を伝達する物質(神経伝達物質)の量が減るなど、脳のエネルギーが著しく欠乏した状態であるといわれています。
環境の変化からくるストレスや体の不調など、さまざまな要因が重なることで発症しますが、新生活が始まる春は、ストレスを抱えやすく、まさにうつ病を引き起こしやすい季節。
また、春は出会いの季節であると同時に別れの季節でもあり、慣れ親しんだものとの別れからくる悲哀感や虚無感から、自律神経のバランスを崩しやすいのです。
さらに、3〜4月は季節の変わり目で寒暖差が激しいため、その季節の変化に体がうまくついていけず、体調を崩しやすいことも「春うつ」の原因としてあげられます。

うつ病は脳のエネルギーが著しく低下した状態で起こる
うつ病は脳のエネルギーが著しく低下した状態で起こる

「春うつ」を防ぐ、3つの心構え

うつ病の治療では、【セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリン】という3種類の神経伝達物質が重要視されています。
これら3大神経伝達物質がバランスよく働くことにより、脳の機能は健全に保たれます。その分泌量を高めるために、普段の生活から気をつけたい3つの心構えをお教えします。
① 食事をおろそかにしない!
3大神経伝達物質の元となるのはアミノ酸です。
アミノ酸はタンパク質が分解されて作られるので、質の高いタンパク質を摂ることが重要です。うつ病予防に効果的なその他の栄養素とあわせて、具体的な食材をご紹介します。
・タンパク質…肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など
・ビタミンB群…レバー、カツオ、マグロ、卵、貝類、納豆、バナナ、緑黄色野菜など
・ミネラル…レバー、赤身の肉、魚介類、海藻、青菜類、納豆など
・脂肪酸…鯖、鰯など青背の魚
朝食を抜くと、脳のエネルギーが不足します。1日3回、決まった時間に栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。

1日3食、バランスのよい食事を心がけましょう
1日3食、バランスのよい食事を心がけましょう

② 早寝早起きを心がける!
睡眠不足は、イライラや気分の落ち込みなど、精神面に影響を及ぼします。夜間のスマートフォンの使用は、体内時計をくるわせ自律神経の乱れを引き起こします。
なかなか眠につけない……とお悩みの方は、まずは朝日を浴びてみましょう! 20~30分くらい朝日を浴びることで、体内時計がリセットされますよ。
③ 頑張りすぎない!
「春うつ」を防ぐために最も大切なことは、頑張りすぎないことです。
4月は「スタートだ!」といつも以上に張り切って、気づかないうちに疲れを溜め込んでしまうことも多いようです。あまり気構えず、いつもと変わらない生活を心がけましょう。会社や学校で頑張り過ぎた日は、おウチでリラックスして過ごしてくださいね。
── 春は環境が変化し、ストレスを抱えやすい季節。
だからこそ、きちんと栄養・睡眠をとってリラックスすることが大切だということがお分かりいただけたと思います。

部屋に朝日を取り込みましょう!
部屋に朝日を取り込みましょう!