突然ですが、冬の味覚・鮭のことを何と読んでいますか。
全国15歳以上の男女1000人を対象に鮭についてのアンケートをとったところ、
「サケ」と読む派が38.2%
「シャケ」と読む派が61.8%※という結果が出ました。
個人的に「サケ」と読む人が多いとばかり思っていたので意外な結果だったのですが、果たしてどちらの読み方が正解なのでしょうか。 ※マルハニチロホールディングス調べ

ごはんにもお酒にも、和食にも洋食にも合う万能な鮭
ごはんにもお酒にも、和食にも洋食にも合う万能な鮭

鮭の正しい読み方とは!?

結論を急ぐと、「サケ」と「シャケ」、どちらの読み方も正解で、同じ魚を指すので違いはとくにありません。
ただ、広辞苑に載っているのは「サケ」のほう。
基本的な読み方としては「サケ」、それに派生して「シャケ」という読み方が広がっていったようです。
たしかにそう言われてみると「シャケ目シャケ科」とは言わず「サケ目サケ科」と分類されているのも頷けます。
では、どのようにして鮭の読み方が二通りになったのでしょうか。じつは、これにはいくつか説があるのです。

訛っているから? 江戸弁説

鮭の読み方が二通りになった理由の一つ目は、江戸弁を使う人たちが「サ行」をうまく発音することができず、訛って「サケ」のことを「シャケ」と読んだ説です。
日本の方言について書かれた著書によると、「シャケ」と読むエリアは江戸弁を使う関東に限らず、こんなにあります。
【関東地方】➡ 茨城県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都
【中部地方】➡ 新潟県、石川県、山梨県、長野県、静岡県
【近畿地方】➡ 大阪府、奈良県、和歌山県
【中国地方】➡ 広島県
【九州地方】➡ 福岡県、長崎県
こうしてみるといろいろな地域で「シャケ」と読まれているんですね。
また、上記のエリアのなかにも「サケ」と読む人はたくさんいますし、上記のエリア以外でも「シャケ」と読む人はたくさんいるので、方言で「サケ派」と「シャケ派」を分けるのは難しそうです。

塩引きされた鮭を「シオンビギ」や「ションビキ」と読む地域も
塩引きされた鮭を「シオンビギ」や「ションビキ」と読む地域も

状態で読み方がかわる? 生きているか食用か説

2つ目は、生きている状態を「サケ」、食用の状態のものを「シャケ」とする説。
生きているときは「ウシ」と読み、食用になると「ギュウ」と読む牛と同じ原理で、川で生まれ海で泳ぎ回った「サケ」は、脂肪をたくわえ身がつまった頃に捕えられ「シャケ」になる、とされています。

鮭(シャケ)の旨みが詰まった石狩鍋はとっても美味!
鮭(シャケ)の旨みが詰まった石狩鍋はとっても美味!

まだまだある! そのほかの説

生のままの切り身を「サケ」、シャケフレークや塩ジャケなど加工したものを「シャケ」と読む、というのもあるのだそう。
また、アイヌ語で鮭のことを「サクイベ」「シャケンベ」と呼ぶことから「サケ」や「シャケ」が生まれたとされる説もあるのですが、鮭のアイヌ語は「チュキペ」であり、本来は「サクイベ」も「シャケンベ」も鱒のことを指します。
── 鮭といってもいろいろな読み方や種類があって、とても奥深いですよね。
そんな鮭は調理方法もさまざま! 焼鮭はもちろん、鮭のクリームシチューや鮭のムニエル、鮭のホイル蒸しなどおいしい鮭料理はいっぱいあります。今年の冬は鮭を使った料理に舌鼓を打ってみてはいかがでしょうか。
関連リンク参照:鮭に関する意識調査

調味料に凝るとさらにコクのある味わいに
調味料に凝るとさらにコクのある味わいに