桜のあとはツツジ・・・子供の頃からそばにいた花の、色あでやかな絨毯は 〈tenki.jp〉|AERA dot. (アエラドット)

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桜のあとはツツジ・・・子供の頃からそばにいた花の、色あでやかな絨毯は

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毎年にぎわう根津神社。圧巻の「文京つつじまつり」

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美しいツツジのぎゅうたん、じゃなくて絨毯をお守りしています

美しいツツジのぎゅうたん、じゃなくて絨毯をお守りしています

散ってしまう桜にそっとバトンを手渡されたかのように、ツツジが咲き始めました。
近所に咲いている地味なイメージがありますが、色とりどりに集まって咲くツツジの花のあでやかさは、桜を見送ってちょっと寂しい春の終わりを満たしてくれます。

身を寄せ合って咲く、寂しがりやの花たち

子供の頃、学校帰りの道端に咲くツツジの蜜を吸った方も多くいらっしゃるのでは。
ツツジは低木なので、小さな子の目線にちょうど花の顔が向かいます。こんもりした枝は、まるまったネコの背中のよう。ガクから中身を抜いた花をちゅーちゅーと吸いながら「集まって咲いて、ツツジは寂しがりなんだな」と、親しい気持ちになったものです。「皆の中のひとりを喜ぶ」という感情は、群れて育つべき子供時代にとっては自然なものなのかもしれません。
ところが、思春期になったらツツジが好きでなくなる人も多いようなのです。
ときに道路脇で排気ガスなどかぶりながら、低いところに群れて咲くツツジ。桜のように惜しまれながら散るわけでも、椿のように美しいまま地に落ちるわけでもなく、咲いた状態のまま茶色くシワシワに乾いて枯れていくツツジ。遠くにある「老いと死」を、若者に意識させる花でもあるかもしれません。ちなみにツツジには空気清浄作用があり、自転車やバイクが突っ込んだときの衝撃を吸収する目的と併せて歩道に植えられることが多いのだそうです。
ツツジは万葉集の時代から日本人に親しまれてきました。
語源は「ツヅキサキギ(続き咲き木)」。花が連なって咲くことから「つづき」、また筒状の花「ツツシベ」であるため「つつ」などと呼ばれていたのが、変化して「つつじ」となったといわれます。
ツツジ科の植物は非常に多種で、分類法も複数あるようです。東京で4月から咲き始めるのがツツジ。それに代わって5月から咲く、やや葉の固い花がサツキです。

魔性の女の危険すぎるハチミツ

ひときわ鮮やかなオレンジ色で群生するレンゲツツジは、 群馬県の県花です。
県内には天然記念物になるほど大規模な群生地がいくつかあるのですが、武尊(ほたか)牧場・鹿沢湯の丸牧場・ 赤城山の白樺牧場など、なぜかほとんどが牧場で牛馬と一緒・・・ぐんまちゃんと何か関係でもあるのでしょうか?
じつはこのドレス姿の美女群にも似たレンゲツツジたちは、別名「ベコツツジ」「ウマツツジ」と呼ばれています。牛や馬の大好物だからではなく、なんと食べたら呼吸停止をおこすかもしれない要回避ツツジだからなのです。放牧された牛たちが「危険すぎる美女」のまわりの草だけを食べ、肥やしを施すことで、美しいレンゲツツジの大群落は守られているのでした。
ツツジは漢語で書くと「躑躅(てきちょく。足踏みする・足が止まるという意味)」。
良い意味ならば「見る人が足を止める美しさ」です。けれども、中国の図鑑には「羊躑躅(葉を食べた羊が、足をバタバタさせ地を蹴って死ぬ)」とあります。ツツジが麻痺毒を含むことからこう名付けられ、古くから殺虫剤などに利用されてきたというのです。
紀元前にはギリシャ軍の兵士たちがツツジ属のハチミツで中毒を起こしたという記録も残っています。近年ではトルコ産のハチミツで中毒というニュースがありましたが、それもツツジの蜜毒でした。ちなみに日本の養蜂業では、レンゲツツジの咲く場所や開花時には蜜を採らないなどの対応をとっているそうです。
レンゲツツジは普通に庭木になっています。また他にもツツジには弱い毒を含む種類があり、懐かしむあまりやたらに蜜を吸ったりお子さんに勧めたりするのは、危険かもしれません。

「つつじまつり」で、お気に入りをさがしてみては

東京でツツジの名所としてもっとも有名なのが、根津神社です。およそ2000坪のつつじ苑には、約100種3000株のツツジが咲き競います。早咲きから遅咲きまで花が入れ替わるので長期間楽しむことができ、中には珍しい種類も見られます(リンク先参照)。
東京の見頃は例年4月中旬〜下旬くらいの所が多く、ゴールデンウィーク頃まで各地で「つつじまつり」が開催されています。白・ピンク・紫・黄色・・・お気に入りの花に囲まれて歩けるのが嬉しいですね。市や露店、イベントなども楽しみのひとつ。
山での見頃は、6月頃のようです。新緑の中であでやかに群生する花の絨毯を見にでかけてみてはいかがでしょう。


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