明日からいよいよ3月。卒業、入学シーズンがやってきますね。
新たな旅立ちに胸をふくらませる学生さんたちをみると、周りも胸が熱くなってきますが、親戚などに卒業、進学するお子さんがいる場合は、この時期、お祝いのことも忘れずに考えておいたほうがよさそうです。
やはりお祝いは、時期を過ぎてしまうと、気持ちが伝わりにくくなってしまうもの。そこで卒業、入園、入学祝いに関するマナーを紹介します。スマートなお祝いで、新生活を応援する気持ちを、心を込めて贈りませんか。

新生活を応援する気持ちを、心を込めてスマートに贈りませんか
新生活を応援する気持ちを、心を込めてスマートに贈りませんか

ご祝儀か、品物か……? いつ、誰に贈ればいいの?

入園、入学祝いは、子どもの成長を祝う内々のものなので、基本的には身内だけでお祝いします。甥っ子、姪っ子までお祝いするのが一般的ですが、親しさの度合いで、何親等までお祝いするか決めましょう。
先にお祝いをいただいている場合は、必ずお祝いを贈るのが礼儀。また第一子だけでなく、第二子、第三子にも忘れずに贈りましょう。
卒業、入学が重なった場合は、入学祝いを贈り、卒業、就職が重なった場合は、就職祝いを贈るのが一般的です。
お祝いは、入園式、入学式の2〜3週間前までには贈りたいものです。
金額の相場は以下の通り。
・ 入園祝い 5000円〜1万円
・ 小・中・高校入学祝い 5000円〜1万円
・ 大学入学祝い 1万円以上
・ 卒業・就職祝い 5000円〜1万円
現金を贈ることに抵抗がある場合、図書カード、文具券、百貨店の商品券など、これから必要になるものを金券という形で贈ると喜ばれます。
品物を贈りたいという方は、先方と持っているものが被らないように注意。学用品等は学校により細かい指定がある場合も多いので(たとえばキャラクター禁止など)、先方にそれとなく確認したほうがよいでしょう。
また入園の場合は、親族で集まって食事会をする家庭も多いようです。中高生くらいなら、普段行かないようなレストランやコンサートに招待するなど、形に残らなくても、思い出に残るようなイベントを用意するのもステキですね。

のし紙を選ぶときの注意点

では次に、お祝いを包む「のし紙」についてのルールを紹介します。
これを間違ってしまうと、せっかくの心遣いが台なしに。気をつけたいポイントを押さえていきましょう。
〈水引〉
袋をくくっている紅白の紐を「水引」と言います。水引には「蝶々結び」と「結び切り」の二種類ありますが、お祝いに使うのは、「蝶々結び」のほうです。
・「蝶々結び」 何度も結び直せることから、何回あってもいいほど喜ばしい慶事に使います。入学、卒業祝い、就職祝いも「蝶々結び」を使います。
・「結びきり」 結び目が固く結ばれてほどけないことから、二度とあってほしくないことに使います。結婚や弔事に使います。
〈包み方〉
外袋の包み方も、慶事とおくやみではまったく異なるので注意が必要です。
入学祝いのような慶事(祝儀袋)では、上の折り返しが下に、下の折り返しが上になるようにします。「慶んで上を向く」と覚えておくといいですね。弔事(不祝儀袋)は、この逆で上の折り返しが前に出るようにします。悲しくてうつむくの意味があります。
〈書き方〉
上の部分には、
・ 小中高校は、祝御入学、御入学御祝
・ 幼稚園は、祝御入園、御入園御祝
・ 卒業は、祝御卒業
・ 就職は、就職御祝
下の部分に名前を書きます。慶事では、濃い黒の筆ペンを使いましょう。
連名の場合は3名まで。右から格上、年長順、友人の場合は50音順に書きます。
4名以上の場合は、代表者の名前を書き、左側に外一同と書きます。贈り主全員の名前は奉書紙か和紙に書いてご祝儀袋に入れます。

お祝いをいただいたらどうする?

入学、卒業、就職祝いのいずれも、基本的にはお返しは不要です。しかし、必ず礼状を送るのがマナーです。メールなどで済ませるのは、相手に失礼になります。
また、幼稚園児や小学生が書いた文字がつたなくても、それはそれで愛嬌があり、お礼の一文を送られた側はきっと喜んでくれるはず。中学生以上であれば、きちんと本人の直筆で礼状を送りたいものですね。
就職祝いのお返しの場合は、初月給で菓子折など送るのもいいでしょう。その場合「内祝」ののしを付け、本人の名前を書きます。
お祝いを贈るのにもいろいろなマナーがありますが、すべて相手の成長を祝い、喜ぶためのもの。気持ちよく贈って、先方に喜んでいただきたいですね。
◎参考 『冠婚葬祭マナー大事典』(Gakken)