第27回 作・編曲家/音楽プロデューサーのmichitomo氏にインタビュー |AERA dot. (アエラドット)

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第27回 作・編曲家/音楽プロデューサーのmichitomo氏にインタビュー

文・原田和典

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michitomoさん

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「アップアップガールズ(仮)1st全国ツアー アプガ第二章(仮)進軍~中野サンプラザ 超決戦~」

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チーム・負けん気「無限、Fly High!!」(通常盤)

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吉川友《あまいメロディー/「すき」の数え方》(通常盤)10月29日発売

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アップアップガールズ(仮)《Beautiful Dreamer/全力!Pump Up!! -ULTRA Mix-/イタダキを目指せ!》(通常盤)11月4日発売

アップアップガールズ(仮)《Beautiful Dreamer/全力!Pump Up!! -ULTRA Mix-/イタダキを目指せ!》(通常盤)11月4日発売

《無限、Fly High!!》楽曲制作の画像

《無限、Fly High!!》楽曲制作の画像

《全力!Pump Up!! -ULTRA Mix-》楽曲制作の画像

《全力!Pump Up!! -ULTRA Mix-》楽曲制作の画像

<パート1 大華奈央香の真実> その1

 限りない広がりと深まりをみせる現代アイドル界。その中から必見必聴の存在ばかりをピックアップしてきた当コーナー「Girls! Now」だが、今回と次回は装いを変えてインタビューをお届けする。進行形アイドル・シーンの音楽面の核を握るひとり、作・編曲家、音楽プロデューサーのmichitomo氏への直撃取材だ。
 すべては、前回の連載を読んだmichitomo氏が、その感想をツイッター上に書き込んだことから始まった。それを目にしたフォロワーが「ぜひmichitomo氏の記事を原田の取材で読みたい」とリクエスト、あれよあれよという間に面会の日時が決まり、気が付くと僕は伝説のmichitomoスタジオの中にいた。スタジオの内部写真は次回でたっぷりご紹介させていただくとして、まずはインタビューに至るきっかけを作った入魂のブルーレイ『アップアップガールズ(仮) 1st 全国ツアー アプガ第二章(仮)進軍 ~中野サンプラザ 超決戦~』の話題から。

――2014年6月1日、中野サンプラザのライヴ当日の響きが忘れられません。服が音圧で震えるような、すごい迫力でした。

michitomo 「クラブ・中野サンプラザ」にしたかったんですよ。低音を強調して、出せるところまで出して。マニピュレーターさんやPAさんは、いつもハロー(Hello! Project)のコンサートも担当している方ですけど、会場の限界まで音を出してもらいましたね。

――ブルーレイの音質もすごくリアルでした。最初緊張していたメンバーが徐々にペースを取り戻して、ファンを巻き込んでいく様子が手に取るようにわかるんです。音声の差し替えがないのも、生々しさを強調しています。

michitomo 「アプガの醍醐味はライヴでしょ?」 それをとにかく伝えたかった。歌をガツガツ直しちゃったらライヴ感がなくなってしまう。ネガティヴな部分も含めて、お客さんにとってはライヴの体験だから。音程がずれてたり、とちった部分もそのまま収録されていれば、「ああ、とちったとちった」ってそこからまた広がる思い出があったりするわけじゃないですか。CDとは違う、アドリブで出てきた歌い方がすごい感動的だったとか。せっかくパッケージ化するんだから、ライヴの空気をそのまま保存したいんです。もちろんよっぽど聴くにたえないパフォーマンスであれば直しますけど、アプガにその心配はないので。修正なしのライヴ作品を出せるだけの実力が、アプガにはあるということです。

――イアモニもつけてない。

michitomo つけてないですね。それで7人、音を合わせちゃう。本当にすごいなと思って、普通はできないですから。しかもあの、音圧の強い曲で合わせちゃうから更にすごい。楽器の少ないものだったり、アコースティック編成のオケ(伴奏)だったら歌を置いとける隙間っていっぱいあるけれど、アプガのオケはビッシリ音で埋まってるし、そこに自分の歌を乗っけて、しかも他のメンバーの声も聞きながらパフォーマンスしないといけないというのは本当に至難の業なんですけど、それができちゃう。できるようになっちゃった。

――キャンペーンではモニターなし、客席に向いたスピーカー2個だけで音をとっていることもザラです。しかも同時に、あの超人的なダンスをしながら。

michitomo あれは多分、アプガにしかできないんじゃないかと思います。応用が利くのがすごいと思いますね。どんな小さなステージの上でもやりきってしまう。

――ライヴ映像の音響ディレクションはずっと担当されているんですか?

michitomo 横ブリ(『アップアップガールズ(仮)3rdライブ 横浜BLITZ大決戦(仮)』)からですね。今回はブルーレイだから、DVDとは音声のサンプルレートが変わってくる。CDよりも周波数がいいはずなんです。解像度が高くなる。ボリュームをあげればあげるほどリアルになると思います。

――michitomoさんはいろんな年齢や人数のアイドルを担当されていますが、歌割りはどのようになさるのですか? たとえばチーム・負けん気の《無限、Fly High!!》の場合は……

michitomo これは負けん気全員で歌っているヴァージョンと、アプガ、吉川友、THE ポッシボーがそれぞれ歌っているヴァージョンがあるんですけど、全員版はアーティストごとの歌割ですね。あがってきた歌詞を見て、そのアーティストに合うだろうなってところに、そのひとたちを割り振った。あと、人数が吉川が1、ポッシが5、アプガが7とそれぞれ違うので、そこを生かしたいなとも思いました。ラストのサビの部分、「何度 だって 地面を蹴って」と繰り返し歌うんですけど、そこはきっか、ポッシ、アプガってどんどん人数を増やしていって、最後に13人集まって合唱してドンって盛り上がるようにしたかった。それは作詞のNOBEにもお願いしていました。僕はどんなアイドルさんのときでも、歌割りを作るときに、その曲がライヴで披露される姿をイメージしています。

――バラバラに散らばっていた13人が最後に中央に集まってポーズをとる部分、あそこはライヴで本当に映えます。

michitomo その場面で吉川が仙石(みなみ)にセクハラしてるところを何度も見てますよ。「ああ、今日もしてるな」って。

――なんで、ああなるんでしょうね?

michitomo どうしてでしょうね。吉川いわく、ペットをかわいがる感覚に近いそうですけど。

――吉川さんはソロ、アプガさんはグループという違いがあって、さらにPrizmmy☆さんだと思いっきりメンバーの年齢層が下がる。意図的に書き分けていますか?

michitomo それぞれのグループやソロのコンセプトという大枠のなかで、どう違いを出していくかということですね。僕の書いているのは大枠ではダンス・ミュージックだと思いますが、吉川の場合は歌唱力も素晴らしいので、踊れる歌でもちゃんと聴ける部分を多めにして、いわゆるリスニング向けに作っていますね。アプガはライヴでお客さんを盛り上げるというのが第一だったりするんで、それに沿った曲作りをすると歌メロのリフレインを多用したり、ライヴで映えるような歌詞が多くなる。
《全力!Pump Up!!》は、頭から最後まで客を現場で盛り上げることに特化した曲です。歌のメロディも基本、「タタタタータタータ、タタタタータータ」しかないんで。「フロアを揺らせこのサウンドで」って歌詞そのままですよ。吉川の《あまいメロディー》の「ララララーララララー」というリフレインは、お客さんも一緒に歌ってほしいなと思って作りました。その箇所まで歌のメロディをしっかり聴かせて、どんどん盛り上がって、ラララのところで爆発するようにしたかった。バラードとしても聴けると思いますし、現場ではサビの部分でジャンプとか踊ったりもできると思います。
 Prizmmy☆はもともとダンスのスクールから出てきた子たちで、シングル曲では必ずダンスのセクション、完全に歌わずに踊るだけの箇所があるんです。それまで続いた一番、二番のメロディと雰囲気がガラッと変わる感じで変化をつけて。Prism☆Boxは12人編成で、比較的ポップ路線ですね。歌詞は歌うひとたちを反映させるような感じでありたいなと思っています。Prizmmy☆に大人の恋愛を歌わせても、ファンにはあまり訴えないと思うんです。レコーディングの時は、とにかく楽しい雰囲気になるように心がけています。ただ、滑舌は非常に気にしますね。滑舌のしっかりしているテイクをいっぱい録って、そこから使っています。 つづく。[次回11/10(月)更新予定]

※michitomoさんホームページ「michitomo.NET」 http://www.michitomo.net/


(更新 2014.11. 4 )


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プロフィール

原田 和典(はらだ・かずのり)

 北海道出身。ジャズ誌編集長を経て、現在は音楽、映画、演芸など様々なエンタテインメントに関する話題を新聞、雑誌、CDライナーノーツ、ウェブ他に執筆。著書は『元祖コテコテ・デラックス』『世界最高のジャズ』他多数、共著に『アイドル・ソング・クロニクル2002-2012』等。ブログ「原田和典『ブログ人』」に近況を掲載。twitterアカウントは @KazzHarada

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