全国マン・チン分布考 朝日放送の人気番組「探偵!ナイトスクープ」から生まれた松本修『全国アホ・バカ分布考』(1993年)は名著だった。著者は当時の番組プロデューサー。日本列島上の「アホ」と「バカ」の境界線を探るところからはじまった企画は秀逸だったよ。ところで、この本(96年刊の文庫本だったか)にはたしか「次は女陰と男根に類する語を研究する」みたいな宣言があったはずなのだが……。 今週の名言奇言 11/14 週刊朝日
bonponのプチプラ着こなし便利帖 やっぱりね。本になると思っていたよ。『bonponのプチプラ着こなし便利帖』は、インスタグラムで76万人のフォロワーを持つ、仙台市在住のご夫妻のファッション・ブックである。 今週の名言奇言 11/7 週刊朝日
ホイチョイの リア充王 ホイチョイ・プロダクションズの『見栄講座』(1983年)を覚えているあなたはバブル期に青春を送った方だろう。あの頃はみんなパワーがあったよね。金曜の夜から寝ないでスキー場に行ったりしてました、私も。 今週の名言奇言 10/24 週刊朝日
東大教授がおしえるやばい日本史 人は「すごい」と「やばい」でできている! それが本書のコンセプト。本郷和人監修『東大教授がおしえるやばい日本史』は「すごい」ばかりが強調される歴史のスーパースターの「やばい」面にも光を当てた異色の日本史だ。 今週の名言奇言 10/19 週刊朝日
HATE! 「新潮45」が休刊した。「LGBTは生産性がない」とする杉田水脈議員の寄稿も、これを擁護する後日の特集も目を疑うようなものだったから、これはいたしかたない措置だろう。表現の自由を奪うという意見もあったけれども、差別表現を野放しにしたらどうなるかは歴史が証明している。 今週の名言奇言 10/10 週刊朝日
〈平成〉の正体 平成の終わりを見すえ、そろそろこの30年をふりかえる本が出はじめた。藤井達夫『<平成>の正体』の副題は「なぜこの社会は機能不全に陥ったのか」だ。キーワードは「ポスト工業化」「ネオリベラリズム」「格差社会」「ポスト冷戦」「五五年体制の終焉」「日常の政治」の六つ。まさに!って感じがしませんか? 今週の名言奇言 10/3 週刊朝日
ホモ・デウス 新しいiPhoneが出るそうだが、気になるのは同時に発表された腕時計だ。心拍数に異常があると知らせてくれて、転倒したら緊急電話もかけてくれるとか。この時計を買える人は長生きできて、そうでない人はそれなりに、ということになるのか。 今週の名言奇言 9/27 週刊朝日
僕は金になる 藤井聡太七段の活躍で脚光を浴びている将棋の世界。だが現実は厳しい。桂望実『僕は金になる』は天才棋士を生み損ねた家族の物語。金はカネではなくてキンと読む。将棋の駒の金である。 今週の名言奇言 9/27 週刊朝日
人殺しの息子と呼ばれて 著者はフジテレビ「ザ・ノンフィクション」のチーフプロデューサー。張江泰之『人殺しの息子と呼ばれて』は昨年10月に放送されて反響を呼んだインタビュー番組を再構成した本だ。 今週の名言奇言 9/5 週刊朝日
さしすせその女たち 一家4人の平凡な日常をただ追っているだけなんだけど、共感する女性はけっこういそう。椰月美智子『さしすせその女たち』は共働き家庭における妻と夫の果てしないバトルを描いた小説だ。 今週の名言奇言 8/22 週刊朝日
嘘に支配される日本 ま、いかにも福島さんがいいそうなことをいい、中野さんがいいそうなことをいってるなと思う人もいるだろう。それでもいま、永田町で何が起こっているかを頭の中で整理するには便利な本。 今週の名言奇言 7/25 週刊朝日
日本の気配 関西風にいうなら「いっちょかみ」ですかね。何にでも口を挟まずにはいられない人。その傾向は私にもあるけど、この人ほどではないな。武田砂鉄『日本の気配』は<一億総忖度社会の日本を覆う、危険な「気配」を追うフィールドワーク>(帯より)だ。 今週の名言奇言 7/18 週刊朝日
コンビニ外国人 コンビニのスタッフって最近外国人が多いよね、と思いませんか。いまや全国に5万5千を数えるコンビニ。そこで働く外国人は大手3社だけで2017年に4万人を超えた。芹澤健介『コンビニ外国人』はここを起点に、日本で働く外国人や留学生の問題を多角的に追ったルポルタージュだ。 今週の名言奇言 7/11 週刊朝日
権力の「背信」 いまや「もりかけ」と略される森友&加計問題。欲目ではなく、これは朝日新聞の取材に負うところが大きい。朝日新聞取材班『権力の「背信」』の副題は「『森友・加計学園問題』スクープの現場」。取材記録をもとに2018年5月までの両問題の経緯を追った迫真のドキュメンタリーである。 今週の名言奇言 7/4 週刊朝日
1937年の日本人 1937年は日中開戦の年。7月7日の盧溝橋事件が、45年8月まで続く長い戦争のスタートといわれている。でも、その詳細までは知りませんよね。山崎雅弘『1937年の日本人』はこの年の東京朝日新聞や大阪朝日新聞を題材に、世相や言論がどう変わったかを追った本。それだけなのに、マジで戦慄を覚えてしまった。 今週の名言奇言 6/20 週刊朝日