ヒッキーヒッキーシェイク 津原泰水『ヒッキーヒッキーシェイク』。単行本の発行元は幻冬舎。それが早川書房の文庫に入った背景には、幻冬舎で進んでいた文庫化の話が突然中止になったという事情がある。津原氏が幻冬舎から出た百田尚樹『日本国紀』への批判をくり返したためではないかとの疑惑が持ち上がり、さらには幻冬舎の社長がツイッター上でこの本の実売部数を明かすという暴挙に出たため、ネットは騒然。幻冬舎への批判が集まった。 今週の名言奇言 週刊朝日 9/13
日本はいま、「質問できない国」に陥っている。 安倍晋三首相といい菅義偉官房長官といい、国会答弁や記者会見をないがしろにしているのではないか。そう感じる人は少なくないはずである。南彰『報道事変』の副題は「なぜこの国では自由に質問できなくなったか」。朝日新聞記者で新聞労連の中央執行委員長も務める著者が、官邸による質問制限問題などから権力の横暴と現場の困難を考察した本である。 今週の名言奇言 週刊朝日 9/6
コミック版 二十歳の原点 こんな本までマンガになっちゃうんだね。高野悦子原作・岡田鯛作画『コミック版 二十歳の原点』。今年は高野悦子の没後50年。彼女のベストセラーを下敷きにしたリノベーション版である。 今週の名言奇言 週刊朝日 8/30
源氏物語4 A・ウェイリー版 『源氏物語 A・ウェイリー版』全4巻の日本語版(毬矢まりえ・森山恵訳)が完結した。ウェイリー版『源氏物語』とはイギリスのアーサー・ウェイリー(1889~1966)が英訳したレディ・ムラサキ著『ザ・テイル・オブ・ゲンジ』のこと。1925年に第1巻(全6巻の完結は33年)が刊行されるとたちまち世界中で旋風を巻き起こした。本書はそれを日本語に再翻訳したもの。2017年12月に第1巻が発売されて、やはり話題沸騰になった。 今週の名言奇言 週刊朝日 8/23
むらさきのスカートの女 今村夏子『むらさきのスカートの女』。話題の今期芥川賞受賞作である。今村作品はデビュー当時から名作童話みたいな不思議な雰囲気があって「タダモノではない」感が半端じゃなかった。 今週の名言奇言 週刊朝日 8/2
火神子 天孫に抗いし者 森山光太郎『火神子(ひみこ) 天孫に抗いし者』はこれが最後の募集となった第10回朝日時代小説大賞受賞作である。設定だけでも驚くよ。なにせ舞台は弥生時代末期。主人公はあの卑弥呼。正確にいうと、これはひとりの少女が卑弥呼(火神子)になるまでの物語なのだ。 今週の名言奇言 週刊朝日 7/18
未和 NHK記者はなぜ過労死したのか NHKの記者だった佐戸未和さん(31歳)が死亡したのは2013年7月24日ごろ。6年前の参院選が終了した3日後だった。しかし、電通の高橋まつりさんの過労自殺に比べると、この件について記憶している人は少ない。いったいなぜだったのか。尾崎孝史『未和 NHK記者はなぜ過労死したのか』はこの事件の謎に迫った驚愕のノンフィクションだ。 今週の名言奇言 週刊朝日 7/12
呪いの言葉の解きかた 私たちは日々、無数の「呪いの言葉」に縛られている。「嫌なら辞めればいい」なんていうのも典型的な呪いの言葉だ。上西充子『呪いの言葉の解きかた』は、そんな言葉の数々と、呪いの言葉への対処法を説いた本である。 今週の名言奇言 週刊朝日 7/5
おてんとうさんに申し訳ない 菅原文太伝 芸能人は政治的な発言をすべきではない、という風潮が支配的な日本。菅原文太はちがった。特に晩年は政治的な発言で注目された。坂本俊夫『おてんとうさんに申し訳ない 菅原文太伝』は、2014年に81歳で他界したそんな希代の俳優の生涯を出演作とともに追ったファン必見の評伝である。 今週の名言奇言 週刊朝日 6/28
みんなの「わがまま」入門 日本中のあらゆる市民団体が抱える悩みは同じである。すなわち若い人がいない! どんなデモでも集会でも参加者はほぼ中高年。いったいどうしたらいい? 今週の名言奇言 週刊朝日 6/21
大谷翔平 その先へ 米プロスポーツ史上最高額での契約でロサンゼルス・ドジャースへ入団。米野球界初となるホームラン50本、50盗塁の「50-50」達成。そしてワールドシリーズ優勝。今季まさに頂点を極めた大谷翔平が次に見据えるものは――。AERAとAERAdot.はAERA増刊「大谷翔平2024完全版 ワールドシリーズ頂点への道」[特別報道記録集](11月7日発売)やAERA 2024年11月18日号(11月11日発売)で大谷翔平を特集しています。 大谷翔平2024
アメリカ大統領選挙2024 共和党のトランプ前大統領(78)と民主党のハリス副大統領(60)が激突した米大統領選。現地時間11月5日に投開票が行われ、トランプ氏が勝利宣言した。2024年夏の「確トラ」ムードからハリス氏の登場など、これまでの大統領選の動きを振り返り、今後アメリカはどこへゆくのか、日本、世界はどうなっていくのかを特集します。 米大統領選2024
本にひたる 暑かった夏が過ぎ、ようやく涼しくなってきました。木々が色づき深まる秋。本を手にしたくなる季節の到来です。AERA11月11日号は、読書好きの著名人がおすすめする「この秋読みたい本」を一挙に紹介するほか、ノーベル文学賞を受賞した韓国のハン・ガンさんら「海を渡る女性作家たち」を追った記事、本のタイトルをめぐる物語まで“読書の秋#にぴったりな企画が盛りだくさんな1冊です。 自分を創る本
1979年の奇跡 いまから40年前の1979年、あなたは何をしていただろうか。50歳以上の方なら何か記憶があるはずだ。南信長『1979年の奇跡』は文字通りこの年にスポットを当てた本。なぜ79年が奇跡の年だったかといえば、なにしろ『機動戦士ガンダム』第1作の放送が開始され、大友克洋の初の単行本が刊行され、インベーダーゲームが大流行し、宮崎駿監督の劇場第1作『ルパン三世 カリオストロの城』が公開され、村上春樹がデビューし、YMOのセカンドアルバムが爆発的な人気を博した年だったのだから、と。 今週の名言奇言 週刊朝日 6/14
自己啓発をやめて哲学をはじめよう タイトルが気になって思わず買ってしまった。酒井穣『自己啓発をやめて哲学をはじめよう』。こんなことをいわれたら、ちょっと読んでみたくなりません? 今週の名言奇言 週刊朝日 6/11
昭和からの遺言 著者は1929年生まれ。「歴史への招待」や「クイズ面白ゼミナール」などで知られるNHKの元名物アナウンサーである。『気くばりのすすめ』というベストセラーもあるその鈴木健二氏が、なぜ平成の終わりに『昭和からの遺言』なんて本を出したのか。 今週の名言奇言 週刊朝日 5/24
皇后雅子 平成から令和へという代替わりで、にわかに「時の人」となった徳仁天皇と雅子皇后。石井勤『皇后雅子』はこのタイミングを見こした本だ。お妃候補として騒がれた頃から結婚までの過程、皇太子妃としての苦悩の日々。そこにはどうも、祝賀ムード一色の報道ではわからない、いささかスリリングな裏事情があったらしい。 今週の名言奇言 週刊朝日 5/15
僕にもできた! 国会議員 賛否はあるにしても、この人がいなかったら国会はもっと味気なかっただろう。山本太郎『僕にもできた! 国会議員』(取材・構成/雨宮処凛)は2013年の参院選で初当選した新人議員が6年間の議員生活を語った本である。 今週の名言奇言 週刊朝日 5/9