

岡村詩野
岡村詩野(おかむら・しの)/1967年、東京都生まれ。音楽評論家。音楽メディア『TURN』編集長/プロデューサー。「ミュージック・マガジン」「VOGUE NIPPON」など多数のメディアで執筆中。京都精華大学非常勤講師、ラジオ番組「Imaginary Line」(FM京都)パーソナリティー、音楽ライター講座(オトトイの学校)講師も務める
岡村詩野の音楽日和


浅井直樹は海外で“発見”された秘宝 33年ぶりに新たに録音したアルバムの輝き
インターネット時代になってから、海外の音楽ファンの間で火がつき、再評価される日本人アーティストや作品は多い。とりわけ1970から80年代の日本の作品への注目は年々高まる一方、欧米のレーベルから“逆輸入”の形で再発売(リイシュー)される作品も相次いでいる。坂本龍一、細野晴臣、久石譲、清水靖晃らの楽曲をまとめた『Kankyo Ongaku』や、大貫妙子、吉田美奈子、高橋幸宏、高中正義らの作品が収められた『Pacific Breeze』といったアメリカ編集のオムニバス・アルバムは、環境音楽、シティー・ポップ、AORといった音楽の見直し、再定義を我々日本人に改めて促した。






大統領就任式で披露された詩が即興曲に 米音楽家ロスタムのミュージシャンシップ
ファッションやカルチャー面でも話題を集めた、米ワシントンで開かれたバイデン新大統領の就任式。ジル・バイデン夫人のセルリアンブルー色のコートとドレス、国歌を斉唱したレディ・ガガの胸元の大きなハトのブローチ、「This Land Is Your Land(我が祖国)」を歌ったジェニファー・ロペスの全身シャネルの白……といった華やかな衣装は、新政権への期待とともに大いに注目された。とはいえ、マスク姿で足を組んで椅子に座った写真がグッズにまで発展したサンダース上院議員の、ゴアテックスのジャケットと手作りミトンという庶民的ないでたちが、最終的にはすべての話題をかっさらったと言えるかもしれない。

