

岡村詩野
岡村詩野(おかむら・しの)/1967年、東京都生まれ。音楽評論家。音楽メディア『TURN』編集長/プロデューサー。「ミュージック・マガジン」「VOGUE NIPPON」など多数のメディアで執筆中。京都精華大学非常勤講師、ラジオ番組「Imaginary Line」(FM京都)パーソナリティー、音楽ライター講座(オトトイの学校)講師も務める
岡村詩野の音楽日和




奈良美智とのコラボ作を出したヨ・ラ・テンゴ コロナ時代に輝く実行力と音楽愛
アメリカでは現在、新型コロナウイルスの感染者が2日連続で8万人を超えているという。4月と7月に続く「第3波」とも言える緊急事態になっている。ほぼ全土にわたって多くのショップが経営の危機に瀕(ひん)し、ニューヨークでは老舗の人気独立系書店『ストランド・ブック・ストア』も窮状を訴えるまでになった。ショービズ、エンターテインメント業界も今後の見通しは全くたっていない。音楽業界では大型フェスやイベント、ツアーは2021年以降に延期とされてきた。だが、秋になっても来年以降、確実に行われるかどうかは全くわからないままだ。配信ライブやバーチャル・イベントがやや飽きられ始めているいま、アイデアや企画力はもちろんだが、最終的にはミュージシャンたちが潜在的に持つ「アーティスト・パワー」が明暗を分けるような時代になっているとも言える。





