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岡村詩野

岡村詩野

岡村詩野(おかむら・しの)/1967年、東京都生まれ。音楽評論家。音楽メディア『TURN』編集長/プロデューサー。「ミュージック・マガジン」「VOGUE NIPPON」など多数のメディアで執筆中。京都精華大学非常勤講師、ラジオ番組「Imaginary Line」(FM京都)パーソナリティー、音楽ライター講座(オトトイの学校)講師も務める
岡村詩野の音楽日和
92歳の「歌心」に拍手を! バート・バカラックが若手と組んだオリジナル作
92歳の「歌心」に拍手を! バート・バカラックが若手と組んだオリジナル作 今年も残すところ1カ月を切り、海外の主要音楽メディアでは、毎年恒例の年間ベスト・アルバムが発表されている。セールス状況や話題を鑑みながらその年を振り返って選出される作品の多くは、どうしても若手、中堅に集中してしまいがちだだ。それでも今年は、ボブ・ディランの「ラフ&ロウディ・ウェイズ」をベストの1枚に挙げるメディアが多い。
柳ジョージの名曲もピックアップ 米若手バンド、クルアンビンの審美眼
柳ジョージの名曲もピックアップ 米若手バンド、クルアンビンの審美眼 昔の日本のポップ・ミュージックが、海外で注目され始めて久しい。山下達郎、竹内まりや、細野晴臣、清水靖晃といったアーティストたちが1970~80年代に残してきた音楽の多くがここ数年、シティーポップの原点として、環境音楽やAORといった音楽の再評価と連動しながら、国内外で高く評価されている。
社会主義時代のチェコのロック作品 サイケデリックなザ・マタドールズに今こそ注目!
社会主義時代のチェコのロック作品 サイケデリックなザ・マタドールズに今こそ注目! 非常に興味深い音楽作品が日本でリリースされた。チェコと日本の外交関係樹立100周年を記念し、【東欧音楽紀行】というシリーズ名で発売されたチェコのアーティスト、バンドのアルバムだ。(1)ザ・マタドールズの「ザ・マタドールズ」(2)ミハル・プロコップ、フラムス5の「古代都市ウル」(3)フラメンゴ「時計の中の鶏」(4)ジャズQの「シンビオシス」(5)プラメニャーツィ/フラミンゴ/&マリエ・ロットロヴァーの「75」の5作品だ。
奈良美智とのコラボ作を出したヨ・ラ・テンゴ コロナ時代に輝く実行力と音楽愛
奈良美智とのコラボ作を出したヨ・ラ・テンゴ コロナ時代に輝く実行力と音楽愛 アメリカでは現在、新型コロナウイルスの感染者が2日連続で8万人を超えているという。4月と7月に続く「第3波」とも言える緊急事態になっている。ほぼ全土にわたって多くのショップが経営の危機に瀕(ひん)し、ニューヨークでは老舗の人気独立系書店『ストランド・ブック・ストア』も窮状を訴えるまでになった。ショービズ、エンターテインメント業界も今後の見通しは全くたっていない。音楽業界では大型フェスやイベント、ツアーは2021年以降に延期とされてきた。だが、秋になっても来年以降、確実に行われるかどうかは全くわからないままだ。配信ライブやバーチャル・イベントがやや飽きられ始めているいま、アイデアや企画力はもちろんだが、最終的にはミュージシャンたちが潜在的に持つ「アーティスト・パワー」が明暗を分けるような時代になっているとも言える。
解散を発表したシャムキャッツがベスト・アルバム 『大塚夏目藤村菅原』をリリース
解散を発表したシャムキャッツがベスト・アルバム 『大塚夏目藤村菅原』をリリース 今年6月に発表されたシャムキャッツの解散発表は、国内音楽のインディー・シーンの一つのディケイドの終わりを象徴していた。幼なじみが結成した東京の4人組シャムキャッツ。2009年のアルバム・デビュー以降、同世代のスカートやceroといったバンドとともに、ポップ・ミュージックに新世代のカジュアルな息吹を吹き込んできた。メロディアスで親しみやすく、かつ高い音楽性を武器に正攻法で活動していたシャムキャッツは、2010年代の日本のインディー・ミュージックを代表する存在だったと言っていい。
京都のインディー・バンド、バレーボウイズが解散  青春の終わりと友との別れ
京都のインディー・バンド、バレーボウイズが解散  青春の終わりと友との別れ 学生の街、京都を拠点とする一つの若いバンドが解散した。2015年に京都精華大学の学生たちが結成した7人組、バレーボウイズ。ロックやポップ・ミュージックの細分化に歯止めがかからない中、だれもが楽しめる躍動感あふれるメロディーと歌の力で勝負する邪気のないグループとして、インディー・ベースながら広く人気を集めてきた。
デタラメな社会への抗議――。現代アメリカを代表するシンガー・ソングライターの スフィアン・スティーヴンスの新作
デタラメな社会への抗議――。現代アメリカを代表するシンガー・ソングライターの スフィアン・スティーヴンスの新作 ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーンといったベテランのみならず、現在の北米では様々な世代の個性的なシンガー・ソングライターの活躍が目立つ。新型コロナウイルス感染症の影響や、11月に大統領選を控えていることもあり、よりダイレクトに“個の声”が求められるようだ。そうした状況から、言葉や行動に明確な主張を持つ自作自演のソロ・アーティストの作品が何かと注目されやすい。
鈴木博文、カジヒデキも参加したカセットコンピにみる 猪爪東風(いのつめ・あゆ)のポップ哲学
鈴木博文、カジヒデキも参加したカセットコンピにみる 猪爪東風(いのつめ・あゆ)のポップ哲学 レコードほどではないもののカセットテープへの興味が若い世代でじわじわと高まっている。昨今のパソコンやスマホで手軽に聴けるリスニング環境に慣れてしまうと、早送りや巻き戻しが面倒、何度も聴いているとテープが伸びる、再生時に「シャー」という音が聞こえる、といった操作性や音質のデメリットは確かにある。だが、その「手間」ゆえに愛らしい、作品が心に残る、という良さがあることに気づき見直した、というリスナーも少なくないのだ。
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