出産した娘から連絡がこないと嘆く57歳女性に、鴻上尚史が断言する「親が子供に絶対に言ってはいけない言葉」
出産した娘から連絡がこず、どうしていいかわからないという57歳女性。コミュニケーション下手を自覚しているという相談者に、鴻上尚史が伝える「娘さんとの長い時間の結果」と、その先の相談者の人生とは。 【相談74】昨年出産した娘から連絡がこず、どうしていいか分からない毎日です(57歳 女性 山崎みさと) 2人の子供がいる、離婚している57歳の女性です。24歳の娘の事で相談です。昨年男の子を出産しました。LINEをしても1カ月も連絡がこなかったりします。同棲した時に妊娠はもう少し待ってねと言っていたのですが、昨年孫が生まれました。今まで問題がある時以外、いつも反対はしてきませんでした。ただ寂しさもあり、連絡がないなどの時に、私に世話になったのにそういうふうに返すのか、と言ってしまいます。 また、連絡がこないので娘の夫に対しLINEや手紙を書いてしまいました。その結果、娘はLINEに「おまえのせいで家庭がこわれた」とLINEに返してきて以後、連絡はありません。私は自分でも人とのコミュニケーションがうまくない事はよくわかってるつもりです。でも、どうしたらいいのか、わからない毎日です。アドバイスをお願いします。 【鴻上さんの答え】 山崎さん。娘さんは、残念ながら母親であるあなたとコミュニケイトするつもりがないように感じます。 「同棲した時に妊娠はもう少し待ってねと言っていたのですが」と、さらりと書かれていますが、娘さんにとっては大変な言葉だったと僕は思います。 「今まで問題がある時以外、いつも反対はしてきませんでした」と書かれていますが、「問題がある」と判断したのは山崎さんですね。「問題がある時以外」という書き方は、「これは間違いなく問題」という断定を感じます。 「私が問題だと感じた時以外は」という言い方と「問題がある時以外は」という言い方の違い、分かるでしょうか? 前者は、「あなたは問題とは感じないかもしれないけれど、私はこれは問題だと思う」という客観性があります。自分の判断を振り返る余裕と言ってもいいと思います。
dot.
7/21