書評『総会屋とバブル』尾島正洋著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

総会屋とバブル 尾島正洋著

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栗下直也書評#話題の新刊

 企業の株を所有し、株主総会の議事進行を妨害したり、協力したりすることで利益を得る「総会屋」。株主総会に付き物だった彼らだが相次ぐ法改正などで今や絶滅危惧種になりつつある。

 日本が右肩上がりの経済成長を遂げた裏側で、キリンビール、伊勢丹、味の素など名だたる企業が彼らに食い物にされてきた歴史がある。「とにかく札束が重かった。なぜ10万円札がないのかと思ったほどだった」と元総会屋が振り返るようにケタ違いのカネが彼らに流れたことに改めて気づかされる。

 総会屋は企業と表裏一体だ。総会屋が存在し続けたのは企業が、波風を立てず、前例を踏襲し続けたからに過ぎない。そして今、総会屋がほぼいなくなりながらも、日本企業の国際的な競争力が低下していることは皮肉でもある。(栗下直也)

週刊朝日  2019年12月20日号


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