書評『ガルシア=マルケス「東欧」を行く』G・ガルシア=マルケス著/木村榮一訳 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

ガルシア=マルケス「東欧」を行く G・ガルシア=マルケス著/木村榮一訳

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福島晶子書評#話題の新刊#読書

ガルシア=マルケス「東欧」を行く

ガブリエル ガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,木村 榮一

978-4105090203
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 1957年の東欧に潜入したコロンビアの作家ガルシア=マルケスによるルポルタージュ。新聞記者だった著者は、冷戦によって東西陣営を隔てていた「鉄のカーテン」を「赤と白のペンキを塗っただけの木製の柵」と表現し、「人は完全に常識を失い、比喩的な表現を文字通りに受け取るようになる」と書く。

 著者は「壁」建設前の東西ベルリン、アウシュビッツ強制収容所、スターリンとレーニンが横たわるモスクワの霊廟、ハンガリー暴動の傷跡が生々しいブダペストなどを訪問。小説的な着眼点とジャーナリズム的な正確さで、特殊な政治状況とそこに生きる人々を描き出す。

 歴史的資料としてだけでなく、小説家になる前の作品としても興味深い。著者を世界的に有名にした『百年の孤独』はこの東欧取材の10年後に発表された。(福島晶子)

週刊朝日  2019年2月1日号


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