“ひとり出版社”という働きかた

話題の新刊

2015/11/05 11:30

 ひとりで出版社を立ち上げて営んでいる男女10人へのインタビュー集だ。次々に新刊を刷り、大量生産、大量消費によって経営を維持している通常の出版会社とは異なり、彼ら彼女らは一冊をじっくり編んで売っている。なぜ、出版不況が叫ばれるいま、この選択をしたのか。
 登場する10人は、最初から起業を志したわけではなく、働きかたを模索する中で自然とひとり出版社に落ち着いた。テレビ局記者だった女性は、子育てと両立できる仕事として絵本の出版を選んだ。自分が出したい本を作りたかったという元編集者、地方出版の新しい形をめざしている元文化人類学研究者、10年後を見据えながら本を作っている元広告マン。
“小商い”を続ける心許なさは共通してあり、副業を持っている人もいる。しかし、彼らが無謀な生き方をしているようには見えない。それは、「自分らしい働き方」を模索しながら、個性豊かに生きているからだろう。そして何より、私がひとり出版社の本を手に取ったことが何度もあり、それらが例外なく丁寧に作られ、魅力的だからだ。

週刊朝日 2015年11月13日号

“ひとり出版社”という働きかた

西山雅子編

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“ひとり出版社”という働きかた

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