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殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
話題の新刊
2014/02/26 17:12
群馬県太田市と栃木県足利市にまたがる半径10キロのなかで、17年の間に5人の少女が誘拐または殺害された。著者は同一犯による連続事件を疑い、事件のひとつである足利事件を調べ始める。本書は、いったんは解決済みとされた事件の真実を、ひとりの報道記者が明らかにしていくノンフィクションだ。
2009年、著者の調査報道は、冤罪で逮捕されていた菅家利和さんを17年半ぶりの釈放に導く。さらに「ルパン」似の真犯人とおぼしき人物も突きとめる。だが事件は時効を迎え、警察は動かず、犯人は逮捕されずにいる。
誤認逮捕の証拠には、DNA型鑑定が用いられた。冤罪を示すためには、当時の鑑定能力が絶対でないことを証明しなければならない。弁護側と検察側推薦の法医学者がそれぞれ最新の方法で再度調べるも、いずれも一致しない。DNA型鑑定とは一体なんなのか?著者は、DNA型鑑定を証拠に死刑が執行された「飯塚事件」も冤罪の可能性があったと示唆する。報道とは、国家や世間に届かない小さな声を聞き、伝えることだと著者は信じている。
※週刊朝日 2014年3月7日号
殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
清水潔著


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