予約なしできたという84歳男性の次の予約接種券(撮影・吉崎洋夫)
予約なしできたという84歳男性の次の予約接種券(撮影・吉崎洋夫)

 そんなことを考えながら、受付にいくと、「ハイ、大丈夫です」と二つ返事で、通された。何とも拍子抜けだったが、細かい確認をされることなく、接種についての説明を受けて、その後、順番待ちに。そして、ワクチンを接種。経過観察があり、2回目のワクチン接種の日も案内された。

「予約なしでも受け付けてくれて本当に安心した。地元では予約が取れても接種は6月から。まだ時間がかかる。友人にも予約なしで対応してもらえたことを教えたいと思う」

 予約時間よりもかなり早く着いてしまった人もいた。板橋区に住む女性(78)は午後1時から予約を取ったが、会場に着いたのは午前11時半。「少し早く着こうとは思っていたが、早すぎた」という。

 女性は息子夫婦と孫2人の5人で暮らしている。自分が感染したら大変と、あまり外に出ず、自粛生活を続けている。食事をするときは、窓を開け喚起をよくするなど注意している。ワクチン接種を一刻も早く受けて、少しでも不安を和らげたいと望んだ。

 地元ではかかりつけ医にワクチン接種の相談を、と言われたが、かかりつけ医はワクチンを打たないと取り合ってくれなかった。その後、他の病院に何十件も電話するも、予約を取ることができなかった。

 そこで始まったのが、政府の大規模接種の予約受付だった。17日にネットでの予約受付が開始されると、嫁がネットで予約をとってくれた。わずか5分で予約が取れた。

 そんな苦労もあり、今日は予約1時間半前に会場に到着。少し時間を潰そうと思ったが、1時間15分前に会場に入った。しかし、すぐに受付を通過し、待つことなくワクチンを接種できた。

「ワクチンが接種できて安心。嫁にお礼にお土産を買って帰ります」(女性)

 会場の運営はどうだったか。

「午前中から特に大きな問題もなかったと思います」

 こういうのは会場で誘導を担当していた男性だ。時給は1400円。悪くない時給だと思い、申し込んだという。初日は午前7時半から、午後2時までの勤務だった。フロアは4つに分かれており、それぞれのフロアに人を誘導し、接種していく。

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菅首相の視察で混乱避ける